(セブリリ)※セブはでてきません 5巻学生時代
と も だ ち
私に魔法界のことを教えてくれた人。
優しくて弱い人。
「ねぇ、リリー。どうしてあの人と一緒にいるの?」
談話室で本を読んでいると突然友人が言い出した。
「あの人?」
「あのスリザリンの子よ!」
少し怒鳴るように友人は言った。
またか、と思った。
色々な人に何度も聞かれ、何度も答えた。
「私と彼は友達だもの」
「闇の魔術を使っている人たちよ?どうして一緒にいられるの?」
友達だから、と答える声がでてこなかった。
最近彼のことがわからないのだ。
彼は高度な魔法を求めた。
たとえそれが他人を傷つけるとしても恐れたりはしなかった。
闇の魔術に心を魅せられてしまったみたいに。
「…それでも、大切な人よ。闇の魔術が許されない事なのはわかってるわ…」
わかってる。わかってはいるのだ。
でも彼だから、彼だから憎みきれないのだ。
「リリー…」
友人が少し申し訳なさそうにリリーを見た。
リリーはふっと微笑んだ。
いや、微笑もうとして少し顔が歪んだだけだった。
それはどこか泣きそうな顔にも見えた。
「その時が、くるまでは…友達…よ」
囁くように、自分に言い聞かせるように呟いた。
そして、時はやってくる。
「あんな汚らしい『穢れた血』の助けなんか、必要ない!」
決別の、時。
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