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(セブルス誕生日.1/9.2010)(セブリリ?)







僕の生まれた日。
父はその日を憎んだ。
僕にとってその日は幸せな日では決してなかった。
初めてその日を祝ってくれたのは、紛れもない彼女だった。

「はい、セブ!」
満面の笑みリリーが花を差し出した。
「え…?」
戸惑いを隠せずにリリーを見上げると不思議そうにセブルスを見ていた。
「どうしたの?セブ、お誕生日でしょう?プレゼントよ!」
吃驚して、嬉しくて、幸せで、セブルスの眼から涙がこぼれた。
止まらなくてただただポロポロと泣き続けた。
初めての、誕生日。
「え!ごめんなさいセブ!私、酷いことを言ってしまったかしら…」
何も言えずにぶんぶんと首を振った。
嬉しくて、なによりも、嬉しくて。
幸せではなかった日がたった一瞬で幸せに変わる。
「…っ、ありがとう」
言葉になったかどうかは分からない。
でも、精一杯、精一杯気持ちを籠めた。
リリーは何も言わずにただ微笑んだ。
「この花の花言葉はね、友愛、というのよ。私から、あなたへの気持ちよ。私たち…ずっと友達よね?」
リリーの優しさにさらに涙が溢れて、頷く事しかできなかった。
ありがとう、ともう一度言おうとしたときリリーは人差し指をセブルスの唇に当てた。
「お礼なんていらないわ」
にっこりと美しく、優しく笑った。
「だって、私の誕生日もお祝いしてくれるでしょう?」
セブルスは驚きつつも、泣き笑いで答えた。
「もちろんだ」
愛するリリーのために、祝い続けよう。永遠に。
小さな、でも確かな愛をくれた。
僕が生きている事の確かな証を、ありがとう。



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