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(リリペチュ)幼少期







ずっと一緒だと信じていた。
それが当たり前で、不変だと根拠もなく。
どうして?
どうして私からたったひとり奪うの?
誰よりも大切で、リリーがいればそれだけでよかったのに。
リリーは私の全てで、光で。
一緒にいられるならなんだってできた。
なのに、どうして、一緒にいるっていう簡単な事すら叶わないの?
こんなに好きなのに同じ学校に入る事すらできないなんて。
私たちたったひとりの姉妹なのに。
もう同じものを着ても何をしても一緒にはなれない魔女とマグル。

「私は…チュニーと暮らしていたかったわ…!」
幼いリリーは泣きながら訴えた。
「でも!でもリリーは私をおいていくわ!スネイプを選んだんじゃない!」
ペチュニアは泣くな、泣くなと自分に言い聞かせながら気丈に言い放つ。
誰よりも自分で傷つきながら。
「…ごめんなさい、チュニー…ごめんね」
「どこへでもいけばいいわ!」
リリーはぽろぽろと涙の雫をしたたらせながら歩き出した。
ひとり、魔法学校へ向かう汽車に乗るために。
「…魔法なんて使えなければずっと一緒にいられたのに…」
ポツリと呟いた本音は本人に届く事はなかった。

大好きだった姉は知らないところで知らない人に殺されて、最後に顔を見る事さえ叶わなかった。

もしも、もう一度リリーに会えるのなら伝えたい言葉がたくさんある。
「ごめんね」も「ありがとう」も全部。
全部素直に伝えるのに。
後悔は傷つけた分だけ重く、重くのしかかる。




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