僕からの宿題
「ヒバリさん!ヒバリさん!」
笑顔で自分に擦りついてくる可愛い恋人に自然と目を細めた。
今日は久しぶりの休日で一ヶ月ぶりに会ったこともあって綱吉はいつも以上に甘えて来た。
それを僕も優しく受け止める。
ただ一つ気になることは、
「ヒバリさん!お仕事どうでしたか?」
「ヒバリさん!この間〜・・・」
『ヒバリ』
彼は僕の名前を読んだことがないのだ。
自分は『綱吉』と付き合い始めてから名前で読んでいるのに不公平ではないのか。
別に今の呼び方が気に入らないわけではないがやっぱり名前で読んでほしい。
「ねぇ、綱吉。」
「はい!何ですか?」
「僕らが付き合い始めて十年たつよね?」
「?はい、そうですね。」
「じゃあそろそろ僕のこと名前で呼んでいいんじゃない。」
「はっ、えっ?;;」
「僕の名前知ってるでしょ。呼んでみてよ。」
間合いを詰めながらそういうと綱吉は次第に顔をカァっと赤らめていった。
それを見てドキンと胸が高鳴る。
「ほら、」とまた付け足すと「あっ、う、」と小さく呟きながらちらちらとこっちに顔を向けてくる。
十年たっても変わらない初々しい姿に本当に可愛いと思う。
(仕方、ないね。)
僕は綱吉の腕を掴むとピンク色でぷっくらとしたそれに口づけた。
突然のことで綱吉は目を大きく見開く。
「んっ・・、ふぅ・・・、あっ、」
キスをする時も初めてしたときのような反応をする綱吉。
その姿や甘い声に思考がゆっくりゆっくり溶けていく。
それから薄く開いた唇に自分の舌を入れ綱吉のと絡めるとクチュ、チュクと耳を犯す音を発しながら飲み込み切れなかった銀の光がつぅと唇の端から流れていく。
その姿はとても美しく綺麗で。
長い間それを堪能した後ゆっくり唇を離していった。
「今日はこれで許してあげる。」
だから、
「僕からの宿題。」
明日はきちんと名前で呼んでね。
耳元でそっと呟くとまたいっそう顔を赤らめた恋人に今度は顔中にキスの雨を降らせた。
―ねぇ、聞かせてよ。
その甘い声から僕の名を。
end...
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今回企画参加させていただいた『大空のような君へ』の蓮です!
今まで十年後ではお話を書いたことがなくてどんな感じで書けばいいかわからなかったのですがとにかく甘く書きたいなという一心で書かせていただきました。(駄文丸出しですが;;
すごく貴重な体験をさせていただきました。
今回は素敵な企画に参加させていただきありがとうございました!!
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