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お掃除苦手 :西ロマ※
途中からなんか違う話に…
異物混入。




俺は掃除が物凄く下手くそだ。
昼間も本棚を倒したり、洗濯物は乾かす前に地面に全てぶちまかした。


誰も居ないスペインの家で、オレは何時もどうり掃除を放棄する。


「ちっ…なんなんだよ、シエスタの時間になったじゃねーか」



ぽいぽいと着ていた服やズボンを脱ぎ散らかすと、またまた何時ものとうり全裸でベッドに沈み込んだ。














「ただいま〜」



日がオレンジ色に傾き、家の窓から射入る光が白い壁を赤く染めている。うん、綺麗や。

…のはいいが、半開きのドアの向こうがとんでもない事になっているように見える。気のせいか?気のせいなのか?



「ロマ〜?親分帰って来たでー!」

気のせいだと信じたかったが案の定、本があっちこっち散らばっている。
おまけにどう見ても掃除が中途半端に終わってる。


「…はぁ〜、何時なったら家の掃除できるようになるん?」



泥んこの洗濯物を乗り越え、寝室を覗けば思った通り上下に動く布団。
痛い頭を抱えて顔を見れば…

「あ〜、寝顔は天使なんになぁ〜…かわええのになぁ…」



おでこの上で揺れるくるんをちょんとつつくと、眉を少し歪めてむにゃむにゃと何か呟く。

…ふむ、可愛い。

でもなぁ、可愛さ余って憎さ100倍って言葉も
この世にはあるんやで。











「んー…腹減ったぞ…」



にょきにょきとベッドから起き上がると、辺りが暗くなってしまっていた。



「やべっ!スペインの奴帰って来ちまう…」


だがベッドの上に脱いだ筈の服が見当たらない。


「ち、暗くて見えない…」



手当たり次第、布団の上を撫でていると突然パチンと電気が点く音がした。


「!」

「あ、ロマ起きたん?」


にこりと笑みを浮かべ、こちらにやって来る。

「…なんだスペインか、おどかすなよ」


ほっと息をついてとりあえず、腹減ったーとか服持って来いとかいつもの文句をつらつらと並べていると、それまで脇に立っていたスペインが口を開いた。



「やっぱりロマは子分様なんやもんな。」


突然の言葉に思わず固まる俺。はっとしてスペインを見るが、その口調の通りいつもと変わらない表情をして俺を見下ろしている。


「ええで、我が儘大歓迎や。俺はお前が可愛くて仕方ないんやし、踏ん反り返ってもむっちゃかわええし、何でもしてやりたいと思ってるんやで。」



初めはポカンとして聞いていたロマも、そろそろ様子のおかしい事に気付いたようで詰め寄る俺を怯えた顔で見つめている。


「ス、スペ、お前…何言って…」

「けどなぁ、最近俺悲しいんや。…俺が至れり尽くせりしたって親分に対する愛情の形が全く見えへんし。今日なんて疲れて帰って来て、それなんにお帰りすら無いんやで。おまけに部屋ん中もぐちゃぐちゃで…なあロマーノ、お前俺のこと親分やってちゃんと考えた事ある?」



目が笑ってない。


ぐっと縮まった距離に逃げ場は無い上、逃げたくとも全裸で寝ていたせいで布団から出られない。


「や、だっ…スペイン!」

「今日はちゃんと俺が親分や、子分守るだけが仕事やないで。」



素早く両手を押さえ付け、あっという間に馬乗りになられ身動きがとれず俺は必死に抵抗した。


「やだやだやだ!!放せっ…!」


「うん…せやな、お掃除の仕方教えたる。」


「!?」


片手でズボンのチャックを下ろす音と親分愛用の赤いパンツが見えた。


「ほら、親分の。」

「…え?」

「お掃除、できるやろ?」


にっと笑うスペインの顔が俺を震えさせた。














「ほら、ちゃんと裏まで舐め。」
「ん、んく!うぅ〜」

俺はスペインの足の間に顔を埋めて「お掃除」をしていた。

「ん〜…上手やん。なぁ、ロマ?じゃあコレ使ってみるか?」



喉の奥までくわえさせられ、苦しさにむせながら見たものは



「なっ…?」

「使い方解らへんのやろ?だったら俺が直々に、身体におしえたる。」



今のこの状況で、どこにどうやって使うというのか。
スペインの手に握られていたものは、ピンク色の食器用洗剤だった。


「ほら、ちゃーんと舐めてないと駄目や。」

後頭部を押さえ付けられ、またスペインのものが喉の奥を突く。


「ぐっ、んっ!?」

「ほ〜ら、洗い物にこうやってかけたらええねん。」



突然何か冷たい液体が顔に降りかかって来た。それはくわえているスペインを伝って、口内に侵入した。


「ん゙…!うぇ…っ、苦い、ゃめっ!」

「こうやって…!使うんやっ!」


スペインは手に持った容器を放って俺の両頬を手で挟むと、無理矢理口の中で律動を始めた。
もがく俺の手はスペインの力に及ばず、弱々しくシャツを握りしめるに留まる。


「ん゙ぐ、ぅ゙ッ…んっ!!」

「わかった?」


頭がくらくらしてきた。
口の中が擦られて感覚が麻痺してきた。ぐちゅぐちゅと卑らしい音が響く。
なんだこれ…俺、スペインに嫌われたのか?
捨てられるのか?


苦しさと洗剤の酷い味、それからスペインへの恐怖。
でも一番はスペインに嫌われ、捨てられるのかもしれない事への恐怖だった。

俺はいつの間にか涙が溢れ、揺れる視界を見詰めていた。



「ロ、ロマ!!やべ、泣かしてもうた!」

「んっ…っむ、…」

とにかく許してほしくて、何時ものスペインに戻ってほしくて、涎やスペインの体液や洗剤をだらだら溢れさせながら「お掃除」を続けた。



「ロマもうええ!…何やってんねん俺…。」


ロマーノの口から俺のものを引きずり出す。とたんにげほげほと咳込み、薄く開いた目から涙がこぼれ落ちた。



「うっ…ふ…」

「ごめんなぁロマーノ…やり過ぎてもうた。まずかったやろ?ごめんなぁ…」



うつぶせになって泣いていた身体を抱き上げ、ぎゅっと抱きしめる。


「震えとる…?」


その通り抱きしめた身体は小さく震え、寒さの為などではなく冷え切っているようだ。


「恐かったんやな…ほんまに、俺親分なんて失格や。」



何も言えなくなってしまった俺、つい可愛くて虐めたくなってしまったなんて、そんなのは自分自身の欲が抑え切れなかっただけだ。


「…このやろー」

「!」


急いでロマーノの顔を見ると、やっぱり青ざめていて酷く申し訳なくなってしまった。


「ロマ…ごめん、」



ぎゅうとすがるように抱き着いて、まだ少し震えているようだ。



「風呂連れてけちくしょうが…」













浴槽に一緒に浸かると、少しだけロマーノの表情が緩んだ。


「…あんなもん口に入れやがって、まだ変な味する」

「ごめんなさい…」


明らかに立場が逆転しているが、ちょっと今回ばかりはやり過ぎたと反省中だ。


「フェラなんて滅多にしないもんな…ほんまに…」

「ちっげえよ!洗剤の方だよ!」

ぺっぺっと唾を吐きながら憤慨するロマーノ。


「あ…じゃあ、フェラの方はまんざらでもなかったと…」

「あーくそ!スペインこそ俺の事何だと思ってんだよ!!」



バシャバシャとお湯を波立たせ、何時もの勢いで俺を叩く手がふと止まり、なんだか泣きそうな顔になる。


「ロマ?」

「…掃除も出迎えもできない駄目な子分で、スペインもういい加減愛想つきただろ?…代わりに家にヴェネチアーノ呼んで、俺…もうお前に迷惑かけない所行くからよ!」


下を向いていて顔が見えないが、多分泣いてる。
しおらしくてめっちゃかわええし…。

好きな子は虐めたくなる気質な俺は、チャンスを逃すまいと反省している最中でも懲りずに揚げ足をとる。


「せやな、イタちゃんならお掃除も料理もめっちゃ上手いもんな。素直やし気きくし。」

「…。」


プルプルなってる…あかん、かわええ。


「ロマさえよければオーストリアんとこ行って、イタちゃんと取っ替えてもらうで。」


「…ぅな、よぉ…」


ずーと鼻を啜る音が聞こえ、ロマーノが何かちぎちぎ言い出した。


「何て?」


「なんで、そんな事っ…言うんだよぉ…」



今度こそちぎーと泣き出してしまった所で俺の負けを認める。



「すまんすまん!だってロマ可愛すぎるんやって!ほら、こっち来い。」


湯舟の端っこに立ったロマそっと抱きしめる。


「俺にはなぁ、お前が居ないと駄目なんやで。」



あやすように、栗色の髪を撫でながら俺の本音をぽつりぽつりと言ってゆく。


「神様はな、ロマみたいにぶきっちょで愛情表現も上手くなくて、苦労の絶えない人にもちゃーんと″愛″を用意してくれてるんやで。」


「その″愛″っちゅうのが俺や。…とか言ったら、笑うか?どや、ロマ。」




大人しく腕の中に居たロマーノを見ると、恥ずかしいのか怒っているのか上せたのか、真っ赤になって俺の方を見上げていた。



「…キザ、ばかやろ、恥ずかしい。」



恥ずかしかったらしい。
なんか愛しさが沸々と沸いて来て、どうにも止まらない。


「そうかぁ。そや、要するに…ロマ、大好きやで!」


「〜っ!」



ぶちゅーと無遠慮にキスをして、微妙に嫌がるロマにほお擦りをして
今回の一件はなんとか丸く収まった。














「でも、できたら掃除位は普通にできて欲しいんやけど。」

「…ち、明日は見てやがれ」






ちょびっとだけだ、と頑張るロマーノの姿に親分が普通に泣きそうになっていた。


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あきゅろす。
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