NAKED LOVEU :典芬※
※NAKED LOVEの続き
シー君はラトビア君の所へ遊びに行っていてとても静かな休日。
スーさんは長期間に渡る仕事らしくてここ一週間帰って来ていない。
「花たまごと二人きりなんて珍しいね。」
クルリとこちらを振り返り小さく首を傾げるような仕種が可愛い。
「あはは、そうだね。二人はおかしいよね。一人と一匹、だね。」
一人かぁ…
スーさんと生活し始めた頃、最初は恐くて恐くてとても一つ屋根の下暮らしていけるとは思えなかった。
もともと恐い人と思って、自分から近付く事は無かったけど
スーさんがあの時、あんなに優しい目で僕を見つめるものだから…僕はついつい、一緒に行きたいなんて思ってしまったんだと思う。
それから少しずつ彼の性格を知っていく度に、少しずつ話をする度、何故か胸の奥が苦しくなって…新しい仕種を一つ見つけると、不思議に舞い上がってしまうようになった。
恋?なんて、そんなのどうしよう!本当に凄く悩んだけど
スーさんはちゃんと僕の事みてくれていて、「何、そげ悩んでんなんだ」て抱きしめてくれた…。
何も話さない時間も、ちょっとした冗談も、あったかい日常になっていくようでとても幸せだった。
「…いけないのは僕なんだよ」
両手で顔を覆い、ソファに沈み込む。
僕があんなに好きなスーさんとぎくしゃくしてしまっているのは、全部僕のせい。
夜な夜な行為に及ぶ僕はもちろん、スーさんの事を考えながら、スーさんがどんな風に弄めるのか、スーさんに激しく愛される僕を妄想しながら果てるのだ。
そんな僕が本人の前で、どうして平常心で居られようか。
好きで、仕方ないのに
全部あげたいのに
「もう、終わりかな…こんな僕なんて、きっと愛して貰える筈ないよ…。」
愛されたい、愛されたい、キスやハグよりももっと深く…
「…っ!欲しいよ…スーさんっ‥」
花たまごが側で寝息をたてているとか、カーテンや窓が全開だとか、まだ昼間とか気にもしないで半ばやけくそになったように
フィンは自分の中心をぐしぐしと乱暴に擦る。
―――――――――
「ハァ…。」
今回の仕事は長かった…
なかなかまとまらない会議をなんとか上手くまとめてへとへとだ。それでも早めに帰って来られたので、ホッと一息ついた。
「ん?」
玄関前から見える庭に洗濯物が干されている。
「午後っから雨だったけが…」
今は全くそんな風には見えず快晴だが、後から降られても面倒だと思い庭の方に回った。
この日差しのおかげかシーツやシャツは全て乾いて、そよそよと風に吹かれている。
やっぱり家が一番だなあと洗濯物を取り込みながら心底思い、ふと向こうを見ると居間の方の大窓が開いているようだ。
「…フィン、危ねな。」
この白昼堂々と忍び込む輩は居ないだろうが、油断は禁物だ。
仕方ないと思いそちら側に回り、洗濯物を抱え直すとひらひらと風でなびくカーテンの隙間がチラと見えた。
「…!!」
そこに見えたのは、フィンの姿。しかし、その顔は朱く染まり悩ましげな表情をしている。
そう、あの夜のように…
今はまだ昼間なだけあって明るく、嫌でも全てハッキリ見えてしまう。スウェーデンは突然の思いがけない光景に思わず立ち尽くしてしまった。
しかもタイミングの悪い事に、ここ何日かの間忙しすぎて…まあ行儀悪い事を言うと、溜まっている訳で…下半身にかなり悪い。
「ん、ぁっ…スーさんーー」
ぎくりと身じろぐ。
だ、駄目だ…このまま此に居ても辛くなるだけだ
引き返そうと踵をかえした。だが、かなり動揺していたのだろう。
風で翻ったシーツが目の前の視界を遮る。
「…わ!」
そのせいで足元の鉢植えに躓き、不運にも咄嗟に掴んだのがひらひらとなびくカーテン。
勿論体を支えられるはずもなく、ガッシャーン!!!と派手な音をたてて転んでしまった。
「痛…」
むくりと起き上がると、カーテンのロフトが無惨にも外れて下に落っこちていた。
ああ…。
ロフトが…
いやそんな事より、この状況で一番まずいのは…
「…ぇ、スーさん?」
カーテンの残骸と洗濯物と共にひっくり返っているという、どうにも言い訳できない状態に固まっていると、
「う、嘘…やだ、見ないで…!」
真っ赤な顔をしてソファーから立ち上がると、一目散に奥の部屋へと走り出してしまった。
「フィン!」
周りに散らばる物を掻き分けてスウェーデンは必死に後を追う。
―――――――――
バカだ――僕、何やってるんだろ…
逃げたって、スーさんに嫌われる事にかわりはないのに…
僕達の寝室のドアの前に座り込み、膝に顔を埋めて僕は涙が止まらなかった。
「フィン…?」
ドアの前まで来たのか、心配そうなスーさんの声が聞こえた。
「…ごめんねスーさん、僕はこんな汚い奴なんだよ。…もう、一緒にっ、居られ、ないの…解ってるよっ。」
ドアの向こうからなんだか信じられない言葉が聞こえてくる。
「…フィン、此開げれ」
「嫌です…今日中に出て行きますからもう、構わないで下さい。」
「フィン…おめ一人で勝手に終わらせんなは許さんねど」
「…」
カチャ、と少し開かれたドアを無理矢理押し開けると、俯き加減のフィンが驚いているのも構わず手首を掴んでベッドに放り投げた。
「…っ!」
きっと今俺は恐い顔なんだろう。
フィンは怯えた目で俺を見上げている。
そして俺が何か言う前に
「そうだよね…僕はこんな奴だって隠して、スーさんの傍に居たんだ…腹がたって当たり前だよ。…満足するまで、殴ってよ。」
目から一筋、涙がながれた。
「知ってだ。」
「え…?」
「知ってだ、全部。」
その一言にフィンが固まる。
「じ、じゃあなんで…?スーさんは幻滅したでしょ?こんな…」
「…悪がった。俺はフィンどご、傷物さしてしまうど思って、ずっと我慢しった」
「え…」
「多分痛でえ思い、すっど思うけっぢょも…抱いでもいなんが?」
フィンの顔の両脇に手をついて、真っ直ぐに紫に輝く瞳を見詰めた。
――――――――――
一瞬の内に染まる頬。
物凄く愛しかった。身体に直に触れてフィンの体温を感じたかった。熱に浮かされた声を、傍で聞きたかった。
「フィン…?」
「え、と、てことは…ぼ、僕はスーさんに、嫌われてないの…?」
「そんだ事、万が一にも有り得ね。」
どうしよう…スーさん、凄く格好いいよ。きっと僕今変な顔してる。
震える手でそっとスーさんの手に触れる。バカだなぁ…こんなに、こんなに僕を思ってくれているのに。
「スーさん…」
恥ずかしくてちゃんと顔を直視できなかったけど精一杯大好きを伝えたくて、スーさんのリボンタイをくいっと引っ張って彼の頬にそっとキスをした。
「…大好きだよ。」
驚いた表情になってその後、何時もは見せないような悪戯っぽい顔で笑い返してくれた。
時折こめかみや瞼にキスをしながらぷち、と釦を外し合う。
「…綺麗だ」
「スーさんこそ、胸板厚くて羨ましいです」
二人ともクスクス笑って、前だけはだけ抱き合う。直接触れ合った部分が凄く温かくて、思わずぎゅっと抱きしめてしまう。
そんな僕をしばらく撫でては耳、首筋、肩にかけてゆっくりキスや甘噛みをしてくれ、それだけでスーさんの優しさや愛情を感じることができた。
「…んっ!」
スーさんの唇が鎖骨に当たる。
浮き出た所を何度も噛まれ、どうしようもない快感が身体中を駆け抜ける。
こんな簡単な事だった。ただ本能のままに求めあえばよかった。
、好きだという気持ちをこんな形で
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