NAKED LOVET :典芬※
「あ…っ、あっあっ…」
僕は全然綺麗なんかじゃないんだよ…
スーさんが見てるのは僕の表面だけ。こんな姿見たらきっと、とっても幻滅するだろうな。
くちゅ、といやらしい水音が暗い部屋に響く。
「く…うっ、スーさんっ、スー、さん…っ」
スーさんの笑った顔や抱きしめる時の体温も匂いも、汚れた僕には醜い行為に繋がってしまう。
優しくなんてしなくていい
この欲望が満たされるなら…手酷く扱われたって僕は満足するだろう。
「ーーっ!」
ソファにくたりと身体を預け、はぁと息をつく。
ベタベタになった手と下半身を見て急に虚しくなり、涙が溢れる。
「スーさん…」
愛してないのかな
こんな欲望を抱くのは僕だけなのかな…
身体も繋がりたいと思うことは間違っているのかな
壁際に佇むスウェーデン…。
独り涙を流すフィンを本当は知っていた。
名前を呼びながら自らを慰める姿を、ずっと知っていた。
知っていながら
酷い事をしていると自覚しているものの、一線を越えればフィンを壊しかねない程に激しく愛しているがために…
その夜もまた、愛し合う二人はお互いを強く想う。
少しずつ募る欲望を胸に閉じ込めながら。
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