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いきつぎのしかた(土山)

屋外自慰(有)






見回りの途中

ふと、立ち止まり


皮膚に絡む汗はお前の所爲だ、とばかりに
かざした手の下から



お天道様を一睨み



すると、好い按配の風に

指先と首の辺りをひと撫でされて



副長の首筋の線と
キレイな指を思い出す


その途端



ぐらり、ふわり、
頭に酸素が廻らない

呼吸は重く
吐き出される息は必要以上に熱く


前身を這う様にして
下半身に纏わり付く




どくん、とくん




空気の摩擦で発情だなんて
是は罰かも知れんな、と


山崎は片頬で苦笑う



足取りは軽く
躰に怠さの枷




どくり、とくり、




腰の辺りが
厭に甘く痺れて



堪らずに呼ぶのは
愛しい名前



「副長、」



呼んで独りごちる



「やりたい…、」



口に出して仕舞えば
脳と躰を巡るのは支配



欲にもつれる足に鞭を入れ
辿り着いた人気のない路地



一時のシャングリラ



臆病が横目に見る往来

彼方と此方では
別の世界の様に視える



ひんやり、壁に躰を預け



涎を垂らして上目遣いの
聞き分けない己に


のるり、手を伸ばし



隊服の色に軽く感謝すると


そろり、目蓋を閉じ

自分の右手に
戀人を真似させる



でも、足りない


疼きだけが無駄に加速する



端末を手にして
電波を飛ばす

荒い息に生命の心配をされ謝り乍も止まらぬ欲



「テメェには仕置きが必要だ、山崎」



鼓膜に伝わる
甘低く意地悪な声


今の山崎には


その物足りなさも
最高の愛撫



「副‥長、なら今直ぐ…、お仕置きして下さいよう」



外だというのに
喘ぎが洩れる



すると、何者かの掌で
口を塞がれ



びくり、目を見開けば



にぃ、と笑う想い人



派手な音でもって
ひとつ山崎の頭を叩くと



五月晴れの薄暗い路地の中


息継ぎの仕方も忘れる程

目茶苦茶に抱かれる



事実、酸欠気味





けれど其処には


やっと待ち望んだ酸素







КΦNЕС


モドル










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