Remedy
「僕らは、家族なのだから」
南海の孤島シンドリア。
僕はこの国での食客として、慌ただしくも楽しい日常を過ごしている。
――なぁ、ここで一緒に暮してみないか。琥珀。君も、今日から俺たちの……――
この国の王……シンドバッド王には、本当に感謝してる。
国を失い、守るものもすべて失い、絶望していた僕に手を差し伸べてくれた。
シンドリアという、新しい居場所を、故郷と思える場所を自分にくれた。
大切な仲間にも、守りたいと思う人たちにも、出会わせてくれた。
だからこそ、僕はあの人に恩返しをしたいと思っているし、この国のために命をかけたい。
そう思えるだけのものが、この国にはある。
この話をすると、王様とジャーファルさんは嬉しいような、悲しいような少し複雑な顔をするけれど。
けれど、僕が命をかけてでもこの国を守りたいと思うのは当然のことだと思っている。
あの二人も、いや、あの二人だけじゃない。
この国のために頑張っている人たちは、みんなきっと理由は同じはずだと僕は信じている。
だって、僕らは――
――俺たちの家族になってほしい――
僕らは、家族なのだから。
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