[携帯モード] [URL送信]
マウントかけてダイブ
記念日って、やっぱり大事だと思うんだよね



マウントかけてダイブ



「ねぇ、銀さん。銀さんってば!」

「………お、クリリンすげーなコレ」

いつものようにソファーに転がりジャンプを読んでる銀さんに渾身の蹴りをいれた

「ホグアゥフッ」

銀さんはこの世のものとは思えないような悲鳴をあげてソファーから転がり落ちた

その銀さんを冷たい眼で見下ろすあたし
今度だけは、絶対に許さないんだから
ぜっっっっっっったいに許さないんだから

「ちょちょちょ、名前ちゃん。痛い、凄く痛いんだけど。銀さんの内臓破裂しそうなんだけどォオオ」


「じゃ、そのまま死ね」


よほど痛かったのかはいずりながら寝室に逃げようとする銀さんの背中に今度はダイブ

「グハァァアッ」

若干ボキッといった気もするけど、気にしない

「いいいいい背骨がァアアアア」

それでもはいずる銀さんの上にどっかりまたがってマウンティングポジション

モジャモジャの銀髪をグイッとつかんで、頭だけこっちを向かせた

「ああああ首!首とれちゃう名前ちゃんん!てか、今モジャモジャって言ったよね?銀さんの天然パーマのことモジャモジャって言ったよねェエって痛い痛いすいません許してェエ」

銀さんは今凄く情けない顔をしている
これ写メっちゃお
写メって今度土方あたりに送ってやろーっと

「ちょ、名前ちゃんんん?なんで写真とってんのォオオ?写メ?それ今流行りの写メなの?」

「マイブームですぅ」

うん、これは中々
歴史に残るナイスショット!

「名前ちゃん、怒ってるのは分かったから、分かったからさ」

とにかく早く逃げたいらしい銀さん
ね?と子首かしげたって、可愛くもなんともねーんだよ
まだまだ懲りて無いみたい
というより、これはもしかしたら完全に忘れてるのかも
いや、忘れてる
忘れてるに決まってる


あ、なんか寂しくなってきた
駄目だ、泣きそう
てか、もう泣いてる

だって、今日はー…


「え、ちょー…名前?」

「銀さんのー…バカ。忘れるなんて、酷い」


付き合って三年目の記念日なのに


「去年も、一昨年も、覚えててくれたのに」

「あの、名前」

「銀さんの、馬鹿。糖尿病患者。末期、末期患者」

「いやいやいや末期じゃないからねェエ?!寧ろ初期だからァアア」

「ひとり糖に囲まれて肥満死ね!」


それだけ吐き捨てて、立ち上がって玄関に向かおうとしたんだけど
まだはいつくばってる銀さんに足をグイと捕まれドターンとかっこわるくこけてしまう

ここからはさっきの逆

逃げようとするあたし
逃すまいとあたしにマウントかける銀さん

軽く銀さんに押し倒された形になったあたしは、銀さんをキッと睨みつけた


「あのな、名前」

今更言い訳したって、遅いんだから

「今日、付き合って三年目の記念日じゃねーから」


一瞬の沈黙


「はぁ?!」

え、嘘
あたし間違えた?間違えたのか?


「正確に言うと、付き合って三年目の日にプロポーズ記念日だから」


そう言って、銀さんはどっから出したのか
あたしの左手の薬指にシルバーリングをはめた


「名前、俺と結婚して下さい。絶対、幸せにすっから」


断るなんて選択肢、ある訳無いじゃない!



(あたし一人馬鹿みたいだね)
(いや、アレはアレで名前可愛かったよ?)
(はぁ?ちょ、もう一回ダイブしたげよっか?)


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!