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妄想だもの
団地妻番外編夜更け2

おれは…。

ゾロ。

おまえの懐に収まってもいいのかな。

ほんとにゾロはそれでいいのかな?

おれの独りよがりじゃないって安心させて欲しい。




サンジはキュッと胸元に手を当てて、深く息をついた。





♪♪♪♪♪♪♪♪♪



今度こそゾロからの着信音だ。

慌てて電話に出て叫ぶ。

「ゾロ!!」

『おう!起きてたのか。おめでとさん。』

連絡をくれずに間が空いていたのに飄々としているところが憎たらしい。

けれど、そんなゾロの態度が一番安心できる。


「うん。あけましておめでとう。今年もよろにく?」

『なんだそれ?しかも疑問形かよ。』

「フフ。ルフィがさ・・ってかルフィの奴、ちゃっかりナミさんと初詣行ってやがるんだぜ!羨ましいったらねぇよ。」

『あの女・・・。おれに最終締めさせといて、自分はヨロシクやってんのか。』

「やってるとかいうな!生々しいだろ!」

『どうせ、そうなるんだ。諦めろ。』

「イヤだ〜〜〜。ナミさぁあああん・・・。」

『それより早くドアを開けろ。』

「えっ・・・」








慌てて玄関に走り、勢いよくドアを開ける。

「うぉっ!?」

そこにスマホを片手に反り返るゾロが居た。

少し鼻の頭が赤くなっているのは寒さからだろう。

ニカリと笑うゾロの顔を見た途端に、積もり積もった寂しさが溢れて飛びついた。


「…っひ。」

「寂しかったか?」

ゾロが優しく抱き締めてきたところで、額に頭突きをかましてやった。

「いてぇ!?」

「コッチのがイテぇわ!この石頭ー!!散々待たせやがって、プレイなのか?焦らしプレイか!?」

ムキになって噛みつくサンジを宥め、抱えたままゾロは家に上がり込む。

まだ文句はあるのだが、この状態では言いにくい。

「腹減った。」

「蕎麦食う?もう年越しなんかとっくに過ぎちまったけど。あ、雑煮がいいか?」

「蕎麦がいい。雑煮は朝食う。」


朝食うってことはずっと居るって事かな?




蕎麦をゾロの前に置き、コタツに滑り込む。

ハフハフと蕎麦を貪るゾロを見ていたら、胸が暖かくなって落ち着いてきた。



「少しは寝たのか?」

「うん、コタツで横になってた。」

「うたた寝なんぞして風邪ひくぞ。ちゃんと身体のこと考えろよ。」

「だって、ゾロが来るかもって思ってたから・・・ホントに来たし!」


自分が期待していたことを告げるのが恥ずかしくて、唇を尖らせてゾロを睨む。



☆営業だからやっぱスマホかね!(‘o‘)ノ

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