妄想だもの
団地妻5黄緑色の・・・
サンジは久々にバラティエに里帰り。もちろんゾロと。
サンジが来るとわかっていたらしく、店の従業員みんなが集まっていた。
夜は宴会になってしまって、結局サンジは皆に料理を振る舞い大忙し。
それでも嬉しそうに動き回る嫁さんを仕方ないなと眺めてゾロはビールを飲んだ。
「おーい。旦那さん、飲んでるか?」
パティはビールを注ぎながら上機嫌だ。デカい図体の割には顔が真っ赤で、すでに酔いが回っているらしい。
「ああ、ありがとよ。」
旦那さんと呼ばれるのは結構気分がいい。
カルネも寄ってきて、ビールの注ぎ口を差し出す。ゾロはぐいと飲み干してグラスを空けた。
トクトクと注ぎながらカルネが問い掛ける。
「仲良くやってるかい?」
「ああ、もちろんだ。」
「サンジの飯は上手いしなー。」
「愛情てんこ盛りだしな、絶品だ。」
「おいおい、恥ずかし気もなく惚気やがって。憎いねー!」
「事実だから何も恥ずかしくねぇ。」
「ヒュ――♪」
周りで聞いていた連中も囃し立てる。若い夫婦をからかうなんて、良くあることだ。
「ところで、おまえらそろそろアッチの方はどうなんだ?」
「アッチって、夜の事か?絶好調だぞ。」
「アホっこのイカ野郎!性事情について聞いてんじゃねぇぞ!!アッチってな子供の事だよ。」
子共と言われてゾロは固まってしまった。
そんな、おれらに子供なんて・・・・。
「まだ、考えてなかった。」
子供か〜。
なんて、ゾロはぽつりと呟いて、ちょこちょこ動き回るサンジを目で追っかけた。
「どっちに似るかねー?」
「旦那の方が濃いそうだから、こっちじゃねーの?」
「言えてる。でもサンジに似てる方が可愛いだろー。」
「そりゃそうだな〜。」
ガハハと悪気なく笑うふたりにゾロも同意して大きく頷く。
サンジに似てる方が絶対的に可愛いだろう、そうだろう!
ちっちゃなミニサンジを想像してニヤけてしまう。
「そんなことありやせんぜ、ゾロの兄貴!」
「そーっすよ!兄貴に似たって可愛いに決まってやす!!」
宴会に便乗して上り込んでいるヨサクとジョニーが横槍を入れる。
「いいや!サンジに似た方が良い!黄色いサラサラヘアーのくるりん眉毛が可愛い女の子だ!」
「何言ってるんっすか!ツンツン緑頭のキリッと三白眼の元気な男の子ッス!!」
だんだんヒートアップしてきて、ゾロも押され気味。
いや、おれ子供はまだ・・・・。
もうどっちも聞いちゃいない。
いつの間にか全体を巻き込んで緑と黄色の激しい攻防戦。
あんぐりと口を開けて見ていたゾロは、後ろの気配にハッとする。
サンジが盆にのせた料理を持ったまま立ち竦んでいる。
顔色は青いような赤いような、困っているような、怒っているような。
ゾロが慌てて立ち上がり、サンジに寄り添った時。
「てめぇら、いい加減にしねぇか!!!!」
ずっと黙っていたオーナー・ゼフから、でっかい檄が飛んだ。
「チビナスが困ってんだろうが。」
座がしんと静まり返る。
「いいじゃねぇか、どっちだって。」
静まった席でゼフがぽつりと言った。
「黄緑色のサラサラヘアーがツンツンの巻いた眉毛がキリッと可愛い男と女の双子が産まれるかもしれねぇじゃねぇか・・・・。」
容姿が全然想像できないけれど、ゼフは双子の曾孫を思い描いて遠くを見つめる。
「そうっすよね。どっちでも元気だったらいいっすよね!すいやせん!!」
「全くだ。子供なんて授かりもんだからな〜。」
「そうそう、おれたちがとやかく騒ぐこっちゃなかった。悪かったなぁ、サンジ。」
ひとまず喧騒は治まって、和やかでにぎやかな宴会に戻っていった。
サンジは相変わらず固まったまま動こうとせず、ゾロはどうした?と問いかける。
今まで下げたことのないくらいまで眉が下がって、へにょんとしている。
そんな顔も可愛いなぁ、からかわれて恥ずかしかったかとゾロは脂下がってだらしない顔を見せた。
ふぃと視線を合わせたサンジが躊躇いがちに口を開く。
「ゾロ、おれ男の子・・・。」
「ん?そうかそうか!てめぇが男が欲しいならそれでもいいんだ。ちゃんと産み分けには協力すっからな!」
ゾロはサンジの頭を撫でると、ゼフの横に座ってまた飲み始めた。
「サンジさん・・・。」
一緒に料理を運んできたカジオが窺うように声を掛けてきたので、思い切り下がった眉のまま振り返る。
「赤ちゃんが生まれたら教えて下さいネっ。絶対、お祝いに行きますから!!」
何の揶揄もなく、純粋な目で言われてしまった。
「あ・か・ちゃん・・・・。」
大きなプレッシャーがサンジに圧し掛かる。
☆
ゾロ、子作り解禁?
ジジィも曾孫を心待ちにしているご様子(笑)
皆の純粋な期待に応えるべく
後日チョッパー先生の所に相談に行くサンジ。
黄緑色の髪がキラキラ眩しい赤ちゃんが産まれる、かも!\(^o^)/
ガンバレ!チョッパー先生(?)
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