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魔法少女リリカルなのは
AQUARIUS
第1話……1
第1話
誕生!
蒼輪少女アクエリすずか!です





すずかと“魔法”の出逢い。

それは、もう一人の魔法少女が“魔法”との出逢いを果たしたあの日から、6日ほど後の話になる。






「それじゃあまたね、すずかちゃん」

「明後日の約束、忘れないでよー?」

茶色の柔らかそうな髪をツインテールでまとめた笑顔の少女と、栗色の腰まである髪に両サイドにちょこんと髪をまとめたやや勝ち気そうな少女が、目の前の相手に向かい手を振り、去っていく。

「またね。なのはちゃん、アリサちゃん」

それに応える様に手を振る紫の長い髪の少女───月村すずかは、時々振り返りながらも手を振り続ける二人の背中が見えなくなるまでそこから動かず、ようやくにして自らの家の扉を開いた。

「おかえりなさいませ、すずかお嬢様」

扉を開ければ、そこに佇んでいるのは一人のメイド。

「ただいま、ノエル」

優雅に微笑んだ彼女はすずかの鞄を受け取り、ゆっくりとその後ろに付き従う様に歩み始める。

「そういえば、ファリンはどうしたの?」

自分の部屋へと戻り着替えを始めた最中、自分付きのメイドである少女の姿が見えない事に気付いて問うすずかに、ノエルは微かなため息を吐き、

「実は、すずかお嬢様お気に入りの紅茶葉を切らしている事に先程気付いたらしくて───」

額を押さえ呆れたように話すノエルに対して、すずかは笑みを返す。

「せっかくファリンが買いに出向いてくれているのなら、お茶は後でいいよ」

「かしこまりました」と恭しく頭を下げ、彼女は静かに部屋の扉を閉めた。

本来なら帰って来てお茶とおやつを頂くところなのだが、少し時間が出来てしまい、

(そうだ。あのコ達の様子でも見てこようかな)

せっかくの時間を無為に過ごすのも勿体ないので、すずかは中庭で遊んでいる猫達の元へ向け、部屋を後にした。

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あきゅろす。
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