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魔法少女リリカルなのは
AQUARIUS
第2話……6
あの時、あれほど近くにいながら彼女の魔力反応を全く感じなかった。

戦闘に集中していたから?

違う。
普通の魔導師とかなら、それも有り得るかもしれない。
だが彼───ディーには“深層魔力感知能力”がある。
なにか魔力を発揮するモノがあれば、肌を通してそれが伝わる。
それは痛みなどの触れる感覚と変わらない。
意識してなくても勝手に身体が反応するのだ。

にも関わらず、あの時感じたのは目の前のかたつむりのモノだけ。
こんな高い魔力の持ち主なら、故意に隠蔽しない限りは100%気付く。

「そ───そんなこと言われても、自分にあんな力があるなんて全然知らなかったし……」

詰め寄るディーの迫力に押され後ずさっていくすずか。

今だってこうして彼女の魔力は確かに───、

「ま───さか。本当に無かったのか?魔力、が───リンカーコアが」

ひとつだけ思い当たる。

もし魔力が発顕したのが、デモンズブラッドに接触したせいなら?

元々、魔法の源───リンカーコアの性質はまだまだ解明されていない事だらけだ。

これは仮説になるが、

仮に、生命体全ては元々リンカーコアを宿していて、それのスイッチが入っているか入っていないかだけなのだとしたら。

仮に、それがなにかしらのアクシデントによって無理矢理スイッチが入ってしまったのだとしたら。

そこまで考え、ディーは自分の考えを首を振って追い払う。
確証のない説を突き詰めていくのは危険だ。
それに今はそれほど重要ではない。
今、重要なのは───

目の前の少女が、何も知らずに魔法の力を手に入れた

という事だ。
ディーはもう一度真っ直ぐ少女を見据えた。

「“月村すずか”って言ったよな。君は───その力をどうしたい?」

すずかはそのあまりにも真剣な目に、びくりと体を震わせ視線を伏せていたが、───思い立ったようにディーへと瞳を上げる。

「私は、出来る力があるのなら───守りたい」

生まれ育ったこの街。

そこに住む人たち。

ノエル、ファリン、自分の姉や家族。

そして───、



掛け替えのない大切な、大切な友達。



真摯にその視線を受け止めていたディーが大きく頷いた。

「規模は違えど守りたい気持ちはオレも同じだ。なら───オレと一緒に戦ってほしい」

静かに頭が下がる。

「頼む。力を貸してくれ───“すずか”」

そんな彼にすずかも静かに頭を下げ、

「はい。こちらこそ、お願いします」

互いの気持ちはひとつ。

同じ目的で動く仲間同士。
2人から同時に笑みをこぼれた。

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あきゅろす。
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