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晴れ時々所によりキャラメル模様
「………………」
「………………」
「………………はぁ、」

「………いい加減にしてくだされヘタレ宗殿」
「誰がヘタレ宗だ誰が」





晴れ時々所によりキャラメル模様





「元親殿とお話することくらい容易いではないか」
「ただ話すんじゃねぇんだよ!あ、明後日の全国大会で決勝進んだら…っ!!」

「でぇとに誘うんでござろう?」

「ばっか!おま、ばか!声でけェし元親君に聞こえたらどうすんだってこんなとこいるわけねぇけど!!」
「馬鹿は余計でござる」
「なになに、また俺の話?」
「っ?!ぇ、あ、‥え?!ももも元親、く…!!!!」
「よぉ、政宗‥だったよな?なんでいっつもキョドってんだよ」

ああああ笑った顔もcuteだぜmy angel!!なんて言えもしない、俺。これじゃあヘタレって言われても仕方ないかと思う。認める気はねぇけどよ。

例の物理の授業から一向に仲良し大作戦が進展しないまま学年が上がり、迎えた今日。
自称恋のキューピットこと佐助が『次の全国大会準決勝で勝ったらチカちゃんをデートにでも誘いなよ』的な助言をサラッと残していったので今まさにその全国大会準決勝に向けた練習中に一人悶々としているわけでありますが。


なぜ、こんなむさ苦しいだけの体育館に俺の癒やしがいらっしゃるんでしょうか?


「な、なんで元親君がこんなとこに…」
「あ?幸村に練習見学にこないかって誘われてたからよ!今日バイト休みだしきてみた…‥つか、君付けとか止めようぜ?なんか痒い」
「あ、sorry‥」
「元親でいいよ、呼び捨てで!」

なんか、なんつーかあーもうその笑顔ヤバい可愛いんだけどどうした俺。落ち着け。つか真田幸村お前グッジョブだしマジなに、見返りが怖ぇ逆に。


「ウジウジされると練習になりますまい。さっさと約束こじつけて優勝旗持って帰ってきてくだされ」
「…初めてお前が良いヤツに見えた」
「毎度毎度一言余計でござるな!」
「それを言うならお前だろ!」
「?仲良いんだな〜2人とも」
「「どこが!」」
「え…だって今も息ピッタリじゃん」

「………さすれば某、主将に手合わせお願いしてきます故」
「幸村?」
「元親殿はどうぞごゆっくり見学していてくだされ!」
「あ?おぉ…」
「…政宗殿は此処で言わねば一生ヘタレと呼びまするぞ」
「ぐ…分かってるよ、!」


畜生ホントに主将と手合わせしに行ったしアイツ。


「あ、の…」
「わ、幸村すげぇ…互角じゃん!」
「………‥、…‥あ、のな元親!」
「ん?」
「俺、さ…、明後日全国大会の準決勝なんだよ」
「ああ!壮行会でやってたやつだろ?」
「Ya.…‥でな、?もし、俺が勝ったらさ…」
「うん?」

「……date、してくんね、?」

「………………」
「………………」
「………えっと、」
「………………」
「デートって、あのデート?」
「YES」
「そりゃまぁ別にいいけど…」
「は、いいのか?!」
「おー、つかデートとか言わなくてもただ遊びに行きてぇってだけだろ?いいぜ、バイト休みの日なら基本空いてるし」
「え、あ、うん、。まあいい今はそれでも」
「??」
「…じゃあ、約束だからな」
「はは!大丈夫だよ、面白ェやつだな政宗って」

くっそ、俺の気も知らねぇで無邪気に笑うんだなアンタって人は。それなのに、そんな安い口約束でも練習に身の入り方が違うってのがよく分かる。

これってきっとすげぇコトなんだぜ。



「次!」

「次は!!」

「どうしたもう終わりか?!」

「…………………」
「…‥まったく、元親殿と話せばこれなのだから困る」
「…なんか、…‥いっつもあんななのか?」
「恐らく今日から特別厳しくなるのでござろう」
「主将の先輩より怖ぇじゃん」
「なにせ元親殿とのでーとがかかっておりまするからな」
「は?遊びに行くだけでそんな嬉しいモン?お前らどんだけ休み少ねぇんだよ」
(…気の毒でござる…)
「あーでもカッコいい、やっぱ武道はいいよなぁ」
「それならば元親殿もなにか武道に励めばよろしいのに」
「俺は見る専なんだよっ」


真田が元親と楽しそうに話してやがる…‥畜生俺だって話したいのにいいぃぃぃ!!

「政宗、お前ちょっと休憩入れろ」
「は、‥俺まだやれますけど」
「そんな汗かいて倒れられたら主将の俺の責任なんだよ。休むのが嫌なら水分補給だけでもしてこい」
「や、全然嫌じゃねぇっスむしろ行ってきます」
「は…?」

俺の今までの人生の中でも珍しい猛ダッシュだ、真田めあんな近くに座りやがってこの野郎俺だってまだそんな近づいたことねぇのに!

「元親…!!」
「おーおかえり、…なんでそんな急いでんの?」
「政宗殿、水筒」
「Thank you.」
「では代わりに某が後輩と手合わせしてこよう」
「もうあんま使えるのいねぇよ?」
「張り切りすぎでござるよ!!」

真田が立ったら一年の塊から悲鳴が聞こえてきた。…から優しい優しい真田君はまた先輩連中に手合わせ願うらしい。


「政宗ってホントすげぇんだな!」
「あ、?そうでもねぇよ」
「いや、舞ってるみたいってあながち嘘でもなかったぜ!」

俺興奮した!ってそんな近距離で可愛い顔見せられたら俺も違う意味で興奮してしまいそうなんですが…!!!!

「これならさ、優勝も夢じゃないんじゃね?」
「まぁ‥やるからには優勝狙いだけど」
「絶対いけるだろ!優勝したらデートと言わず、ほっぺにちゅーぐらいしてやろっか!」
「っ、??!!」


ほっぺにちゅー?!ほっぺにちゅーってアンタ、ホント俺の気も知らねぇで…!!それよりちゅーってなんだちゅーって可愛すぎんだろそんなナリしてせめてキスって言え馬鹿あああぁぁ!!!!

「あ゛!政宗が倒れた!!」
「もう!だから言ったのにあのバカ!」



主将の叫び声が聞こえた気がしたが意識はすでにフェードアウト。










この眩暈は君のせいだよ





(もう俺ヘタレでもいい…!!)
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青春ロリポップの続編、とリクエストいただきました。宗様が究極にヘタレな件。人見知り設定なので仕方ないですだから幸村も空気読めてる風ですが基本読めません。非常に楽しかった!

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あきゅろす。
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