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おひさま日和
ニコニコ笑顔の太陽みたく。
今日も1日ぽかぽか陽気。

政宗も休みだから家族揃ってのんびりタイム。のはずなのに。



「まぁまぁ〜〜〜!」
「ひぁ…っ!」

「……なんつー声出してんだよ」


この間からウチの不思議ちゃんが匂いフェチになってます。





おひさま日和





またやられた。なにって千翁がここ最近毎日のように俺の匂いを嗅いでくるのが。それこそ急に、前触れもなく飛びついてきては項やら耳の後ろやら挙句の果ては服の中にまで顔を突っ込んでくる始末。そりゃあ変な声も出るさ、常に身構えてるわけじゃないし。


「またやってんのか」
「千翁さんよ、母ちゃんそろそろセクハラで訴えるぜ」
「んふふふ〜」

政宗や梵も同じように千翁の餌食になるが俺ほど頻繁ではない。いきなり突拍子もないことをし出すのはコイツの得意技だから今更どうするってわけでもないけど。

「なんなんだ一体。俺そんなに臭う?」
「や、むしろ喰っちまいたくなる」
「そんなこと聞いてねぇ」

「ぱぱぁ〜〜」
「なに、次は俺かよ」

政宗の首筋に顔を埋めてスンスン。

「ぼんも〜」
「えぇーやらぁー!」

嫌がる梵を無理矢理捕まえてスンスン。



「千翁、母ちゃん達どんな匂いがするんだ?」

一回りしてまた俺の所に戻ってきた千翁を抱き上げて、ビー玉みたいな両目を覗く。タレ目がちで大きな瞳が嬉しそうに弧を描いた。


「ままはぁ、あわあわのにおいー」
「あわあわ?」
「はは!洗剤の匂いがすんだろうな、だから洗濯とか皿洗いの後よく嗅がれてたのか」
「ぱぱはぁー、こぉしゅいのにおいがしるー」
「Ah?香水?」
「学生ン時に俺がその匂い好きって言ってからずっとつけてくれてるやつだよな」
「ぼんもねぇー、とーちゃとねー、かーちゃすちらよー。いーにおいしるー」
「ちおねぇ〜、ぼんはねぇー、ぽかぽかのにおいらよー」
「そうだな、梵と千翁はお日様の匂いがするよな」


ギューッと2人を抱き締めてやると、程良く太陽に暖められた体が晴れた日の匂いを連れてきて。政宗が後ろから俺ごと抱き締めたらデッカい団子が完成した。


「…ホントだ、洗剤の匂いって染みつくモンなんだな」
「嫌か?」
「や、すげぇ落ち着く…」

珍しくウトウトしている政宗と、腕の中で半分夢に旅立っている小さな怪獣達と。暖かくて大好きな匂いに包まれてる俺って超幸せ者だよな。



そんな君達に、母ちゃんからお日様毛布のプレゼントです。



サンサンと降り注ぐ太陽の下。日の光を全身に浴びてフカフカと元気を取り戻した布団を掛けてやって。

まだどこか幼い政宗の寝顔と、どんな夢を見ているのかうっすらと微笑む子供達を眺めながら今日の献立を考えてみる。
そんな、のんびりゆったりと時間が流れた、ある木曜日の昼下がり。










その日もお日様は穏やかに輝いて





(俺も眠たくなってきた…‥)
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家族設定でほのぼの、とリクエストいただきました。いつも結構ドタバタな話が多いので最大級に肩の力を抜いて書きましたが、…少し抜きすぎたような気もします。幸せそうなコイツらを想像していただければそれで大成功です。

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