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ギンギラギンにさりげない
明日は休みだって、早々に仕事も切り上げて帰宅した。
家には愛する嫁と息子達。抱き上げると香るシャンプーの匂いに1日の疲れも癒される。



「先、風呂だよな?」
「あぁ」
「飯用意しとくから」
「Thank you.」
「ちおのもじゅくだちてぇ〜」
「ぼんものぃたまー」

我が家のゲテモノマニアは最近もずくブームのようだ。毎日食卓に深緑の海藻が泳いでいる。
梵は飯の上にのりたま振って食べるのが好きで、出しすぎないようにってヒヨコのふりかけ容器に入れて保管してあるのを今も楽しそうに振ってる。

俺も腹減ったし早く風呂入って一緒に食卓を囲むかって、いつもそんな長居しない風呂を適当に済ませる。いつものこと。
風呂から上がってリビングに行けば、もうすでにもずくとのりたまで散らかったテーブルが目に入る。側で自分の飯もロクに食わずにチビ共の世話に忙しい元親の姿もいつものこと。



ただひとつ、違っていたのは。





ギンギラギンにさりげない





山芋だ。しかも量が尋常じゃない。コレすりおろすのに何分かかったのって聞くのも躊躇うくらい大量の山芋が、さも当たり前のように俺の席の前に鎮座している。

ちら。元親を見れば案の定絡む視線。


「…‥近所の人が余ったってくれたんだよ…」
「いやむしろ入手ルートなんか知らねぇ。これ食わしてお前今晩どうなるか分かってんの?」
「っ!お、れも食うんだよ半分残しとけ!」

バカが言い訳になってねぇよ。帰りが遅かったりお互いがくたびれてたりでここのところご無沙汰だったのは確かだけども。
顔を真っ赤にして俯く元親は初々しかった学生時代を連想させた。もう一度言うが、明日は休み、だ。





「梵、千翁、そろそろ寝る時間だぜ」
「ぐぃぐぃしゃかしゃかー」
「ちあげはおかぁーしゃ〜ん」
「はいはい、仕上げは母ちゃんがやってやるから歯磨きしな」
「ぼんとーちゃにしる〜」
「分かったから、歯ブラシ噛んでちゃ磨けねぇだろ」

食べたら磨く、やくそくげんまーん。なんてな。あの歌やけに耳につく。まあ歯磨きに限らずパジャマの歌もだけど。


「まぁま、えほんよんれぇ…」
「またブッサイクな顔してお前…。眠いのに無理矢理起きてんの好きだなー…‥あれ、梵は?」
「なんかすんげぇ面白ぇ格好で落ちた」

よっぽど疲れてたのか梵はリビングのソファーの肘置きを枕にして寝ていた。しかし滑稽なことに脚が直感に伸びてる。いっそ完璧なまでの角度だ、…脚疲れねぇのかな。
千翁も寝ぼけて家庭の医学的な専門書持ってきてるし。お前そんなん読んでもらってたら一瞬で落ちるだろうがよ。

「我慢は禁物だぜ千翁さんよ。ほら、抱っこしてやるからおいで、」
「ん〜‥」
「政宗も梵連れてきて」
「…すげぇ…抱き上げても硬直してるし大丈夫かコイツ」



しかしまあ、子供を寝かせてからは待ちに待ったディープな時間だ。
お互いに結構な山芋食っておそらく精力が凄まじいんだけども、ここは敢えて焦らす方向で。マンネリ防止と理性吹っ切れる元親が見れるとで一石二鳥的な。


「ん〜〜…っぁ、‥さ、むね」
「…‥すっげ、乳首腫れてっけど」
「ば、かやろ…、みみ、しゃべ、な!」
「あんまデッケぇ声出すとアイツら起きるかもよ?」
「ぅ、あ…っ」
「ほらー、こっちも腫れてんじゃねぇのー?」

さっきまで梵が寝ていたソファーに俯せに押し倒して背中から覆い被さって。
抱き込むようにゆっくり焦らせば僅かに跳ねる腰が愛しい。軽く耳を噛みながら下へ下へと降りていく。


「は、も…ちゃ、と‥さわ、れ!」
「Ah?触ってんじゃねぇ…」

「ままぁ?」

「…か…、………??!!」
「ぇ、あ、…‥え?」
「かぁちゃ、いたいたい?」
「ぼ、ん?、ぇ?なに?」
「わああああそうだよな、チカ!腰痛いんだよなだからどこが痛ぇか言えってマッサージしてやるからあああああ!!!!」
「えええぇぇぇぇともうちょい右!うん、そのへんだそのへんああああああ超効くすんげぇ気持ちいなああああ!!!!」



めちゃめちゃエロスな雰囲気漂ってる時にものっそいタイミング悪くうちの怪獣1号2号が揃って起きてくるとかどんな拷問ですかね、むしろ何プレイですかねコレ。いや、分かってますでも憎めないんですよねウチの子可愛いからホント。

そんな、大地の恵の神秘的なお力によって大きく反り返った愚息がただただ苦しかったある熱帯夜の出来事。










こんなドッキリも、家族だからできるんです





(怪獣を再び寝かしつけて、それこそ朝まで貪り尽くしたのは言わずもがな)
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ダテチカで幸せ家族設定で、政宗が元親にセクハラする瞬間梵と千翁に見つかるギャグ話、とリクエストいただきましたが。
セクハラって同意のもとで行うならセクハラじゃないですよねって今気付きました。パジャマと歯磨きのあの名曲も私の時代仕様なので健在なのかすら定かではありません。

出だしがこんなで色々と申し訳ないです。楽しかったから良し!!

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あきゅろす。
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