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詩集
ふたをした記憶〜過去〜
自分を見てくれている
幼い俺はそう思っていた
だから、怒られても厳しくても我慢できた
俺のことを思って言ってくれているんだと、
信じて疑わなかった
けれど、違った
あの人は俺を見ていなかった
あの人の中に俺はいなかった
あの人が必要としていたのは“俺”じゃなくて、
賢くて従順な“息子”という存在だった
忘れよう、あの人のことを
俺の持っているあの人の全ての思い出を
思い出すと、覚えていると心が壊れるから
あの人はあの日、死んだのだから
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