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※第二理科室(基礎十)





「…若林」
「ん、…こうちょ、う、」
「今は校長じゃない」
「…い、一応、校内ですよ…」



微かに残る薬品の匂いが鼻をつく。
鍵はかけたとはいえこんな危険な場所で事に及ぼうとするあたり、権力者の余裕なのかただの馬鹿なのか(恐らく後者だが)この男には本当に参ってしまう。

趣味なのか、白衣一枚だけを纏わされた俺の体を散々愛撫すると、いよいよ本格的に指をあてがい、手慣れた動きでそこを解しはじめた。



「ひ、あっ…!…」
「…若林、かわいい」
「っ、あ、校長…」
「…じゃなくて?」
「……か、かすが、」
「…いいねえいつ聞いても」


目を細め、うっとりとした表情で息を荒くする校長はすごく気持ち悪かった。
興奮したのか、秘部に入れていた指の動きが激しくなる。



「あ、ダメ、も…うっ…、」
「何?」
「あ、春日…!」
「…なに?」
「か、かすがっ…」

にやにやとわざとらしく中を掻き回す顔は完全に変態にしか見えない。
言わせたい。のだろう。
全身が羞恥と快感で熱くなっていくのをひりひりと感じて、たまらなくなった腰をすり寄せるように動かす。もうどうにでもなれ。



「…早く、し、てください」


宙を掴んでいた手を校長の首にまわすと、ゆっくり頷いてから、触れるだけのキスをされた。
ベルトを緩め、きつそうになった自身を出す。
こちらが痛くないようにと、秘部を舐められるとまた背筋を快感が走り、甲高い声が出る。
さらに体積を増した校長の元気な息子が我慢出来ないと言わんばかりに、侵入して来た。


「あぁあ、…っ…!…」
「ん、…!」


ここのところ数をこなしているせいか、すっかり慣れたそこはあっさりと校長のものを受け入れる。
いつのまにこんな体にされたもなのか。
自分の上で息を荒げる男の真剣な顔を見て改めて格好いいなんて思ってる自分を殺したい。



「あ、あ、あ、あっ…!」


貪るように体を突いてくる。
電撃のような快感が体を抜けて、ああ、もうなんかダメだ。



「…、あ、っ、はぁ、ああ!」
「わ、若林、…」
「ん……、かす、がっ…」

生理的な涙が滲むのがわかる。
見計らっていたかのように目尻にキスをすると、頬、唇に動きとは反した優しい口付けを落とす。


快感と、この愛がくすぐったくて、本当になんか溶けそう。
いい年した教員同士がこんな場所で体を重ねてる、なんて生徒が知ったらどうなるんだろうか。




「…っ、わか、ばやし」
「……、うん」

中にいる春日自身をこれ以上ないぐらい感じながら、限界に近づく。
たまに緩めるスピードがもどかしくて、自分から腰を動かすと春日は満足そうにさらに強く俺を抱いた。
結合部がやらしい音を出して、部屋に響く。本当にもう、限界が近い。



「……い、いくっ…」
「…俺も…っ…」
「…っあ、あああっ」



はあはあと疲れ切った男の呼吸が二人分。
達したばかりだというのに、繋がったまま俺を抱き締めて可愛い可愛い連呼するその元気はどこからくるのか。白衣に吐精したばかりの俺はぐったりと背にしていた実験台に横たわった。




「…も、二度とこんなとこでやんねえ…」
「意外と興奮したでしょ?」
「……ちょっと頭痛いんで黙っててもらえますか…」


素直じゃないなあ、とすり寄る上司に熱いビンタをお見舞いすると、やっぱり嬉しそうに笑った。

薬品と埃と精の匂いが入り交じる部屋で、明日の朝礼は遅刻してやろう、と心の中で頷いた。








第二理科室

(…この白衣どうすんだよ)
(もちろん次回用に取っておく!)
(……ああそう)



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エロスは難しいなあ…
基礎十設定、すごく好きです

お題元:確かに恋だった




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