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とびきり甘いのをお願い




「お前マジで大丈夫?」


ぐったりと壁にもたれかかる相方は、ゆっくり顔をあげた。

二重瞼が眠そうに閉じかけている。
目元には睡眠不足を主張するかのように隈があらわれ、肌もいつもの数倍荒れている。
完全に疲労し切っている相方は、小さく大丈夫、とだけ言うとやる気なく笑った。


「いや、やばいだろそろそろ」
「…まあ、あとちょっとだし」
「無理すんなよお前」
「大丈夫だって」
「ちょっと寝とけよ」
「そんな時間ないだろ」

ちらりと時計を見る。
確かに楽屋に居れるのもあと三十分程度しかない。



「…マッサージでもしてやろうか?」
「…ちょっとびっくりし過ぎて何も言えなかったけど」
「どういうことだよ」
「…いや、何でも」
「ほら、横んなれって」
「あ、いやいいって」
「…疲れてんだろ」
「それはお互い様じゃない」
「………」


お前は俺より体力的にも本数も負担多いだろうが。
そう言いかけた俺は表情に出てたのか、春日は少し困ったような顔をしてからうん、と頷いた。





「じゃあ若林」
「なんだよ」
「ひとつ頼んでいいか」



形の良いくちびるを、
ゆっくり指で触れてから。








とびきり甘いのをお願い

(照れながらでも応えてくれたのは言うまでもない)


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若林目線じゃない方が良かったような
それにしても春日さんが働きすぎで心配…!


お題元:確かに恋だった





あきゅろす。
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