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やさしい狂気に満ちている





携帯電話という名の機械はするりと手を抜けて地に落ちた。


画面に写し出される
見慣れた顔の男と、寄り添う女。
暗闇でもはっきりとわかる男女の表情。
こんなに優しい顔をするのは、自分といるときにしか見せない。と、思っていた。











「馬鹿じゃねえの」


女は化粧っ気がなく、ぽっちゃりとしていて、春日の好きなタイプなのは一目でわかった。
にっこり笑った丸顔を春日の肩に寄り添って、ピースを掲げている。


馬鹿みたいに笑いやがって。
こいつは自分が本命だと勘違いをしている。
クソ女。
そんな訳ねえんだよ、
ブス。




春日は結局俺のとこに来るんだとも知らないで。

あいつのこと何も知らない癖に。
売れたからって近づいて来てんじゃねえよ。
マジで気持ちわりい

惨めで汚い女。
今すぐ消えろよ。

あーうざい。
うざい。
うざい。
目障りだ。
ブスが。
死ね。






携帯を拾うとゴミ箱に投げ捨てた。
ガシャン、と音がして液晶画面が消えた。

お前らの未来みたいだ、
なんの価値もない。
壊れて、消えて、無くなるだけだ。


お前は必要ないんだよ、
俺がいればいいんだ












「なあ、春日?」


青痣だらけの顔で眠る、
愛しい相方にひそりと呟いた。




やさしい狂気に満ちている

(好きだよ、春日)



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やんでれ林
一度書いてみたかった!

しかし女性が絡んだときの若林の態度はおかしいよね^^

お題元:joy





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