プラチナゴールド
04:閉じた目の上に
キスを落とす25箇所
「荒銀、次移動だぞ」
「…………」
「荒銀、こら、起きろ」
「っ? …、美山? どうしたの〜?」
「どうしたの、じゃない。次移動だぞ。って言うか、授業中に寝るな」
「えー、美山くんてば、あいかわらず、まじめなんだからぁ……」
「おいこら、言いながら寝ようとするな」
「んんー、ねむーい。ねむいよー…」
「なんでそんなに眠いんだよ。昨日遅くまで起きてたのか?」
「起きてたっていうか‥‥俺、季節の変わり目って、寝つき悪くなるから、最近ずっと寝不足なんだよね……」
「………」
「え、なにその、『荒銀にそんな繊細な部分があったとは…』みたいな顔〜。俺だって人間なんですけどー?」
「そうだよな、ごめん」
「そこでふつーに謝られると、なんか複雑ー。……最近、眠いからソファーで寝ちゃうことが多くて、メグがベッドまで運んでくれるんだけどさ…ちゃんと寝ようとすると、全然寝れないんだよね…」
「…黄金崎なら喜んで運びそうだな」
「えー、どうだろ。うとうとしてるから、よくわかんないな〜。でも、昨日も寝るならベッドで寝ろって言われたし、起きろと言わんばかりに、目の上にめっちゃキスされたし……、あれ? 俺が寝れないの、メグのせいじゃない?」
「いや、それはさすがに黄金崎がかわいそうだろ」
「え〜? だって俺、せっかく寝てたのに、メグがキスするから起きちゃうんだよ? 抱き上げられただけじゃ起きないのにー」
「…荒銀が最初からベッドで寝てればいい話だろ?」
「だから、寝ようと思ってベッドに入っても、寝れないんだよ……。メグは健康優良児だから、さっさと先に寝ちゃうけどさ〜」
「…ん?」
「ん?」
「…黄金崎のベッドも、荒銀の部屋に置いてあるのか?」
「え、まさか」
「だよな、さすがに一緒ってことは、」
「俺のベッド、キングサイズだからさ〜」
「―――は?」
「親が、寝る場所っていうより、飛び跳ねて遊ぶ場所って感じでキングサイズ買ってさ〜。クローゼットと勉強机置いたら、きっつきつなんだよね。メグのベッド置く場所なんてないよ〜」
「は? え? 一緒のベッドで…寝てる、のか?」
「そうだよ〜。兄弟同然に育ったって、言わなかったっけ? 二人で寝ても、狭くないよ?」
「………どこに突っ込んだらいいのかわからん」
「え、美山、芸人目指してるの?」
まぶたに、キスを。
[前へ][次へ]
[戻る]
無料HPエムペ!
|
|