十「っ……」 百・零「チーちゃんかわい〜っ!!!」 千「はいはい、どーもね」 百「チーちゃん、もう一枚撮らない?」 千「撮りません。次、兄貴」 万「チー、」 千「撮らねえっつってんだろが。さっさとカメラよこせ」 千早、万里に続きを喋らせず、カメラを奪う。 一「チーちゃん」 千「ん? 何だ、イチ?」 一「綺麗だったよ」 千「‥ありがとな」 万「チー、俺の時と随分態度違―――」 千「何でまだチョコを銜えてないんだい? マリ男くん」 万「っ、タダイマ!!」 万里、キラースマイルに背筋を伸ばして敬礼する。 十「……ダッセー」 万「チーのウインクに顔赤くしてたお子様に言われたくないんだけどな」 十「!? てめっ…!」 百「うっさい馬鹿!」 百音、横を通り過ぎる万里に掴みかかろうとした十夜の脳天に拳を振り落とす。 十「だっ!!?」 千「トーヤ、どうした?」 千早、十夜の悲鳴に覗き込んでいたカメラのレンズから視線を外す。 十「…何でもない」 千「? そうか。じゃあ兄貴、スタンバイして」 万「オッケー」 一「………マリちゃん、ああしてると格好いいね」 一季、スポットライトの下でポーズをとる万里を眺めながらぽつりと呟く。 零「うん! マリちゃん、かっこいいね!」 百「ほんと、外見だけはいいからね。身体も引き締まってるし」 十「‥何で俺見ながら言うんだよ」 百「べっつにー? アンタは女装しても違和感無いくらいの筋肉しかないなーと思っただけ」 十「あの筋肉馬鹿と一緒にすんじゃねーよ」 百「でもアンタ、チーちゃんと比べても筋肉ないわよ」 十「!?」 百「チーちゃんもアンタもママ似で脂肪つき難い体質だけど、チーちゃんはバイトで力仕事もしてるからね」 十「…、俺はこれからついてくんだよっ」 十夜、声量を抑えつつも余計なお世話だと言わんばかりに叫ぶ。 千「トーヤ、何がついてくるんだ?」 十「! え、あ…あれ、もう撮影終わったの?」 千「終わったよ。見てなかったのか?」 十「ご、ごめん」 千「別に謝る必要はないだろ。次、モモな」 千早、眉をハの字にする十夜の頭を軽く叩き、百音にスタンバイするように言う。 百「はーいっ」 零「モモちゃん、がんばってね!」 百「任しといてレーちゃん。本業だからっ!」 一「モモちゃん。はい、チョコート」 百「あ、イッちゃんありがとー!」 百音、一季からチョコレートを受け取りスポットライトの下に向かう。 万「なあ、チー。かっこよく撮れた?」 千「…さあな」 万「えー、さあなって…」 千「格好いいかどうかは読者様方に判断してもらえ」 万「……はーい」 |