零「はわ〜っ、イッちゃんかわい〜!!」 百・十「「!! イッちゃんっ!」」 百音・十夜、零音の声を聞いて万里から勢い良く視線を外す。 百「〜っ、イッちゃんかわいー!! 天使みたいっ!」 十「流石俺の弟!!」 百「ちょっと、寝言は寝て言いなさいよ。イッちゃんはあたしの自慢の弟なんだからねっ! 何が『流石俺の弟』よ!」 十「悪いかよ!? 俺の弟でもあるんだっつーの!」 万「‥俺の弟でもあるけどね」 百・十「「ふざけんな!!」」 万「…………これでも一応、陸海家の長子なんだけどな」 万里、再び百音と十夜に罵られ、乾いた笑みを浮かべながら遠くを見つめる。 零「あっ、おわったみたい!」 千「イチ、お疲れ」 一「ありがとう、チーちゃん」 百「レーちゃん、チョコレート!」 百音、千早の傍へ行こうとする零音にチョコレートを手渡す。 零「わすれてたっ、モモちゃんありがとう!」 千「レー、もう撮れるか?」 零「はーいっ」 零音、チョコレートを持った手を元気良く上げて千早に駆け寄る。 百「イッちゃん、すっごく可愛かった〜っ!!」 一「‥ありがとう、モモちゃん。モモちゃんも凄く綺麗だったよ」 百「っ、あたしの天使…っ!!」 百音、照れたようにほわりと笑う一季をぎゅっと抱きしめる。 百「ほんと、何でイッちゃんはこんなに可愛いのかしら‥っ?! もう一人の馬鹿男とは大違いだわっ!」 十「誰がバカ男だっ、誰が!!」 百「ボケるには早過ぎるんじゃないの? アンタ以外に誰がいるのよ」 十「〜っ、いい加減イッちゃん放せっつーの! お前の貧相な胸で窒息すんだろーがっ!」 百「貧相ォ!? アンタ、目ン玉腐ってんじゃないの!!??」 百音、一季の耳を塞いでから十夜に向かって吠える。 百「あたしの胸が貧相だったら世の中大貧相だらけよ!!」 十「はっ、でかけりゃいいってもんじゃねーんだよ!!」 百「巨乳好きのドーテーくんに言われたくないわよ!!」 十「…っ、!!」 千「こら、モモ。大きな声でそんなことを言うんじゃない」 百・十「! チーちゃんっ!」 一「‥チーちゃん、レーちゃんは撮らないの??」 零「あのね、これのんだらとるの!」 百「レーちゃん、それ、どうしたの?」 百音、零音が小さな腕に抱えている缶飲料を見て首を傾げる。 零「ノンさんがレーたちに、ってくれたの!」 百「えっ、調音さんここに来たのっ??」 千「持って来てくれたのは青柳さんだよ。九重さんは打ち合わせが終わったらすぐ帰ったって」 百「なんだぁ‥。社長、引き止めといてくれれば良かったのに」 一「…忙しいんだよ、きっと」 十「あの人、色々やってるもんなー」 十夜、零音から受け取った缶のプルタブに指を引っ掛けて開ける。 百「でも調音さんって仕事がなきゃ外に出ないから、忙しい時以外に会う機会なんてないのよね〜…」 千「…まあ、忙しくない時は誰だって家にいるもんだよ。はい、マリ男くん、缶コーヒー。ブラックだけど飲めるよね?」 万「‥、……モチロンデス。アリガトウゴザイマス」 万里、にっこり笑っている千早から目を逸らしつつ、缶コーヒーを受け取る。 百「マリ男の代わりに調音さんが兄貴になってくれればいいのになー」 万「…………」 十「そうだな。調音さんが長男だったら、チーちゃんが勉強しながら頑張って稼ぐ必要もないし」 万「…………」 千「モモ、トーヤ。あんまり苛めると引き篭もり兼ねないから」 百・十「「はーい」」 百音・十夜、行儀良く右手を上げて返事をする。 万「……チハヤさん、どんな纏め方ですかそれ」 千「バリバリ働こうね、マリ男くん。…レー、そろそろいいか?」 零「うんっ、じゅんびできてるよ!」 |