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ボカロ図書館
第四話 国立病院の影
三人がロビーに入ると異様な光景が広がる
荒れた数々のソファ
倒れる多くの観葉植物
ここもゾンビがいるのだろうか
壁におびただしい量の血が飛んでいる
恐らくここも危険だろう
まずは病院内の地図を確認する
どこか近くにナースステーションはないだろうか
胡桃「地図はあるけど血がついててわからないわね」
リン「大丈夫だよー」
ミク「私がするわ」
ミクは地図をスキャンし画像処理で血を取り除き元の地図をインプットする
ミク「こっちみたい」
三人でナースステーションへ向かう
受付を通り過ぎようとしたとき不審な音を感知した
ミク「!足音?ゾンビかもしれない、受付に隠れよう」
三人は受付の中に入り息を潜める
いくつかの足音と吐息が聞こえる
ゾンビだろうか
しゃがみながら奥へ進む
だがリンは足元にガラスがあることに気付かず踏んでしまう
リン「!」
パリッと音が鳴る
足音が止まる
ミク「(気付かれたか!)」
少し静寂が続く
次の瞬間ゾンビが受付になだれ込んできた
胡桃「きゃぁ!」
ミク「倒すしかない!」
ミクとリンは胡桃にマガジンを投げる
胡桃「えっ?どうする気?」
ミク「最低弾数で倒す」
リン「ミク姉、いくよ」
リンはAUTO MAG Vを構え
ミクはベレッタを構えた
ゾンビとボーカロイドの攻防が始まる
二人の銃が火を噴く
バンバンと乾いた音とゾンビのうめき声が響く

数十秒後
ミク「終わり」
胡桃「すっすごい…。こんな武装能力を付与したというの?」
リン「発射したのは27発で倒したゾンビは27体。コンプリート!」
数える気はないが多分そうなのだろう
病院内はアルコールと血の臭いが混じっている
胡桃は気分が悪そうだ
ミク「胡桃さん大丈夫?」
胡桃「ごめんなさい…」
リン「人間って大変なんだね」
ミク「リン、失礼だよ」
リン「ごめん…」
ミク「あとちょっと」
その時パーンと銃声が響く
ミクは響いた音の反射を逆計算し場所を割り出す
さすが音楽会社と言ったところか
胡桃はリンに任せミクは音がしたほうへ向かう
見ると一人の警察官と多数のゾンビが戦っている
ミク「そこの警察の人!こっちに来て!」
警察官はミクに気づきミクの下へ走る
ミク「ゾンビが来てる」
ミクは走ってくるゾンビに燒夷手榴弾を投げ燃やした
病院の防災システムは壊れているのか作動しなかった
警察官「助かった。ありがとう」
ミク「いえいえ」
警察官「私は大山猛」
ミク「私達のことはわかるかな?」
猛「もちろん。ミクとリンだね。あとは…」
胡桃「帝東テレビの山崎胡桃です」
猛「ご丁寧にどうも。足…大丈夫ですか?」
ミク「今ナースステーションに向かっているところです」
猛「そうか」
ミク「猛さんも一緒に行きましょう」
猛「行きたいのは山々だが私のMP3は弾切れで、足手まといにしかならないよ」
ミク「関係ありません。行きましょう」
胡桃「それに、あとで取材させてもらわないと」
胡桃は足が痛いのを我慢して笑顔を見せる
猛「…そうか、すまないな」
四人になりナースステーションへ向かう

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