初日5 凄く厳重なんだな。それだけ此処の生徒達は貴重な人材なのだろう 扇「高等部なんてまだ大したことないさ。幼稚舎はもっと警備が頑丈だし」 そりゃそうだよな。 まだ幼い生徒が多いから、自分の身は自分で守れない。 2階に着くと扇は此処から一番近い扉に近づいていった。 扇「此処が職員室だ。左の奥に行けば保健室がある。右は事務室な」 コンッコンッ……ガラガラッ…… 扇「失礼します。鳴海先生、外部生を連れて来ました」 中に入ると部屋全体はスッキリとした造りになっていた。 書類が重なって置いてあっても汚い感じが全くしない。なんか不思議だよな。 「ぉお、須賀が連れて来てくれたのか、ありがとな。外部生が此処まで来れるか心配だったんだよな」 扇の声にまともに反応したのはスーツ姿が嫌味なくらい似合い過ぎている茶髪の美形さんだけだった。 他の先生方は扇を敬う?というか……好意的な視線をよこすか、俺を珍しいものでも見るような視線を送って来ている。 挨拶ぐらいするべきだよな。 光「初めまして、鳴海先生?明正 利光と言います」 ついでに特上の笑顔もセットしてみた。 うん、どっからどう見ても爽やかな優等生だったな。 鳴「よろしくな、俺は鳴海だ。1-Sの担任。それじゃ、須賀は先に教室に行っててくれ。俺はこれから明正を部署分けしなけりゃならないからな」 扇「分かりました。じゃ利光、また教室で」 光「はい、ここまでの案内ありがとうございました」 俺が笑顔と口調をそのままで手を振ったせいか、扇は引きつった顔で手を振り返してきた。 [*back][next#] [戻る] |