学園の仕組み6
光「そうだな………明日は入学式だし、もう戻るか」
扇「明日の朝職員室だろ?7時半に迎えに行くよ」
光「ぁあ、ありがとな。よろしくお願いします」
そんなことを話しながら、4人は9階を目指していった。
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―――
ガチャンッ………――
光「今日1日だけでかなり疲れたな。………風呂にでも入るか」
疲れで怠い身体を無理やり動かしながら、寝室に向かう。
クローゼットの中にある引き出しから着替えを取り出し、浴室へ向かった。
そして浴槽に熱めの湯を張り、直ぐにでも入れる状態にさせる。
湯を溜めている暇な時間を無駄にしない様に、その間に身体や髪を洗ってしまった。
チャポン………――
シャワーで流し終わった身体をバスタブへ沈めていたら、いつの間にか無意識で自分の体を抱く様に両腕を左右にまわしていた。
光「これ、から………少しず…つ、思い出を……作れば…いい。過去、なんか………気にするな」
その言葉は、俺自身に言い聞かせる様にボソボソと呟きとして放たれる。
俺には………8年前までの記憶が全くない。
そして何故か、失った記憶に触れる事をお祖父様から固く禁じられている。
その理由も打ち明けられていないまま。
光「一人になると………なんだか、虚しいよ。
思い…出さなきゃ………いけない衝動に、かせられる」
腰に回した手で背中の右下辺りを撫でる。
そこには‘紅い薔薇’の刺青。
薔薇の横にはローマ数字で‘T’の印が。
コレは自分で入れた覚えの無い刺青。
だから俺にとって唯一の過去への手がかり。
光「もう…あがるか……」
あがった頃にはとっくに21時を廻っていた。
俺は、テレビを見る素振りもせずに寝室へ向かいベッドに潜っていった。
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