報告1
俺よりも一足先に生徒会室を出ていた要は、エレベーターの前で待っていてくれた
エレベーターはとっくの当にこの階に来ており、後は俺達が乗るだけ
要「随分遅かったな。なにか言われたか?」
“誰に”とはこの際言わなくても通じてしまう
鋭いと言うか、なにか心当たりでもあるのか
そっか、あるから聞き出そうとしてんのかな
光「そうだな…言われた、と言うよりも渡されただけだ」
ホラよっと要に向かって小さなメモリーを投げ渡す
ちょっとした厭がらせのつもりで、メモリーを結構な速さで投げ突けたにも関わらず、片手で余裕にキャッチしてみせた要
まぁ、このぐらい大した事じゃないけど、ムカつくな
光「あんま常陸先輩に迷惑かけんじゃねぇよ」
要「ふぅ…玲の仕業か。こんなのが有るなら初めから渡せば良いものを」
要は今来た道を振り向き直し、生徒会室の方を睨みつける
要、それは逆恨みすぎるぞ
自業自得過ぎて笑みさえ出てこないよ
要「仕方ないだろ?俺が真面目になると他の奴らの仕事が無くなる」
言い訳のつもりか、シラッとした態度で当たり前の様に言い放つ
はぁ……どんな理屈だよ?
光「この先、お前がサボれば俺の仕事が増えて来るんだろ?やめてくれよな」
他の人の為とか有り難くも何とも無い。ただ迷惑なだけだ
要「そうだな、……ぁあ、考えておく」
何か考え深げな声を出すと、エレベーターのパネルに触れ、開いた扉をくぐって行く
続いて俺もエレベーターの中に入り、階層のパネルに触れて理事長室へ向かって行った
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