総トーナメント3
扇「今中央で戦ってるのは１年の雉子 暁（きじあかつき）と、２年の柏木 伊織（かしわぎいおり）先輩だよ」
笑顔で近づいてきた扇は律よりは目立つ怪我は無かったが、擦り傷がやはり多いみたいだ。
光「へぇ、俺等以外にも１年で残ってる奴いたんたな」
今まで１年で勝ち上がってる（律と扇以外の）奴を見なかったから、凄く新鮮だよな。
聡「あのな、この部には弱い奴なんて居ないんだぜ？弱い奴はサッサと普通部にまわされちまうからな。本当はこのトーナメントだって誰が勝ってもおかしくは無い代物なんだよ」
律「ただ、上には上が居るってだけや。この部にはまだ、ごっつ強い奴が居るやろうしな」
律はその中には自分も入っているって自覚してるんたろうか？
なんか言い方が他人事の様だったよな。
「うぉぉおおお!!!！！！」
どうやら試合の決着がついたようで、周りの歓声がすごかった。
今、真ん中のフィールドに立っているのは１人だけなので彼が決勝戦の最後の１人だな。
焔「おっ、勝ったのは伊織の方か。結構危なかったよな？」
扇「雉の奴も一応、１年の５本指に入る実力ありますからね」
律「そうやけど、今回のトーナメントで順位が大きくひっくり返りそうやな」
順位？なんだそれ。特殊部内でランキング付けでもやってるのか？
光「なぁ、順位って特殊部内の強弱のランキングとか？」
律「そやで。今は２・３年のランキングしか発表されとらんけど、このトーナメント戦が終わったら張り出すって会長が言うとったで」
焔「はっはっは、そんな事云ってたのか。そりゃお前たち３人が居りゃひっくり返るだろ」
そりゃごもっともで。
聡「まぁ、利光以外は予想通りだったんだけどな」
………俺の体ってそんなに弱く見えるのかな？
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