途中経過1 そして着いたのが、救護室という名の仮眠室だった。 沢山のベッドが置いてあるだけの部屋だったので、丁度良いネーミングだと思う。 光「というか先輩……聡先輩なら俺が運んだのに?」 焔「お前も疲れてんだろ。先輩からのささやかな好意だ、黙って受け取れよ」 今自分で‘ささやか’って云ったぞ。どんだけ小さいんだよ。 光「まぁ……別に疲れてはいないけど、ありがとな」 今は聡先輩が寝ているので実質上この部屋には俺と焔だけ。 多少言葉を崩しても問題はないだろう。 焔「なんだ、今流行りのツンデレか?素直じゃないんだな」 光「その顔でツンデレとか云うな!!」 多分、焔先輩に似合わないワードベスト10には入ってると思う。 焔「別に良いだろ?それよりさっき、メールが来たんだが、相沢と須賀が決勝まで上がったらしいぜ」 光「へぇ、あの2人ってそんなに強いんですね?」 2人は1年の中で強い方だと思ってたが、勘違いだったようだ。 学園の中で強い方だったんだな。 焔「あの2人だって利光と同じで役職持ちだぜ?そう簡単になれる物じゃ無いって事だよ」 光「そうなんですか。俺ってまだこの学園の内情に疎いんで価値観が違うんだと思う」 焔「そりゃそうか……この学園に来て3日目だったか?」 光「そうですけど……ハハハ、3日ってこんなに長い物でしたっけ?」 メチャクチャ長くこの学園に居る錯覚が出始めているよ。ヤバいな俺。 焔「アハハ、そんだけ濃い内容だったんだな?充実してるって事で良いじゃん」 光「なんかイヤだなぁ……」 この先が予想出来なくて不安だ。一体どうなるんだろな? 焔「もう少し休んで居ろよ。まだ他の所は終わってないみたいだしな」 決勝にあがった2人にはどうか優勝して欲しいな。 この先あの2人と戦闘できるか判らないし、2人の実力も早めに知りたい。間接的に知るよりも自分で直接な。 [*back][next#] [戻る] |