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第2柔道場12
 
 
俺は再び間合いを詰めるために足の爪先に力を加える。
 
先程とは打って変わって聡の正面に移動し顔面めがけて足を突き上げる。

 
聡は後方にさがって一撃を避けるが、俺は追い討ちとばかりに、回し蹴り上段蹴り中段蹴り、と流れる様に攻撃を放つ。
 
 
聡は俺の攻撃を体をひねり、腕で受け止め回避していくが続く攻撃が速すぎ、追いつくのがやっとの様だった。
 
 
もう少しスピードを上げていっても大丈夫だろうか?
 
 
だがこれ以上戦闘を長引かせ続けると、お互い体力が無くなるだけ。
 
次の試合に影響してしまう。
 
 
体力が無くなってしまえば俺の打倒‘要’が達成出来なくなる。

 
ここはやっぱり決めてしまおうか。
 
 
 
光「聡先輩、すみませんがここで終わらせて頂きます」
 
 
聡「クッ…そう、簡単…に、ウッ、終わらせて、やるかよッ!!」
 
 
利光の攻撃を防ぐだけで精一杯だった聡が、気合いでなのか掛け声と共に腕を突き上げてきた。
 
 
俺はその腕を受け止め、左足で聡の足をすくい背負い投げを放つ。
 
綺麗に決まったそれは傷付いた聡を気絶させるのには充分だった様で、仰向けになったまま聡は動かなかった。
 
 
先輩しぶとかったな。でもこの先には先輩以上の強者がいる。
 
倒れた聡を見下ろしながら、楽しみで仕方ないのか顔には怪しい微笑みが浮かべられていた。
 
 
焔「勝者、1S明正。ここのブロックの優勝も明正な。そんじゃ皆、会議室に戻るなり他のブロック見に行くなりして良いぞ」
 
 
軽い感じで云い切ると、まだ俺がいるフィールドに向かってきた。
 

かく言う俺は、自分が伸した聡先輩を介抱している所で。
 
 
焔「利光、お疲れさん。お前とうとう実力の半分も出さなかったよな?」
 
 
光「そんな事ありませんよ?最後は結構熱くなってしまって……ここまで傷つけるつもりは全く無かったのに」
 
 
焔「この特殊部……いや、学園にいれば傷付かない事なんて無いと思うがな」
 
 
光「そんな物なんですか。……聡先輩を寝かせられる場所って在りますか?」
 
 
焔「ぁあ、ついて来いよ」
 
 
そう云って聡先輩を抱き抱えると出口に向かって行った。
 
 
 


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