町田アキラ全短歌





賽銭を投げたら賽銭箱の精 出てきて二択してくれ願う


触るなよ片腹痛いよ お前にはさんさん陽の照る明日こなけりゃいい


四肢無くし性器を焼いても追うほどの情炎 海馬にしたためている


したかった 最初で最後のセックスを 春には里に帰る君と


自販機で希望と幸せが300円くらいで売られているらしい


知らない間に消えてた口内炎 居なきゃ居ないで淋しい三月


知らなければよかったのに黒髪を愛でる手すがり埼京線に


震災を経験したという君の低い家具ばかり並ぶ1K


「好きな人いるのですか」と聞いてみる 答えはとうに知っていて


ストローク続いただけで笑顔の君にたまに意地悪したくてスマッシュ


砂浜にホームみたいに白線があったとしても止まらず歩く


セミシグレ 熟れたトマトのリコピンのかかる頬した夕焼ける君


「先月の半年ぶりの約束を何故無視したの」聞けるわけない


そう誰か怯えさす口 目鼻立ち 似たくなかった知らない男


速報に躍り出た文字 どうか君いないでくれよ“震度5花巻”




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あきゅろす。
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