町田アキラ全短歌





i wanna be somebody elseという歌を聞いて知らずに泣いてる夕日


秋風がさらさら気持ちいい夜を思い出してはまた手淫する


足掬う大小波のリピートを目を閉じたまま震えて笑う


アスファルトの匂いの午後梅の実が成っているのを見た真緑の


あたしのこと忘れたことも忘れるころにあたしは君を忘れるんだろ


あたしへの当て付けなのか ノれぬならノったふりして聞いてろザマギ


暑いのは異常気象と他人事言っているんだひまわりさえも


あと二分待合室に金の沈黙 止めても君は笑うだけだろ


あなたを辛くさせる美しい国がまた今日も雪に埋もれる正月


あの事故がなかったことになってても かまちは今を生きてないだろ


石段に足かけ君は仁王の前ほどけた靴紐片結びして


稲に似た草の名前も知らぬまま22の夏追い風吹いて


延滞金さえ払えば帰さなくてもいいですか君レンタルみたいに


押し黙りくちづけるのを指差して『あと一分』と言う駅は罪


お湯入れて10分経ったカップ麺みたいに歯ごたえない愛だから




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