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四月馬鹿(現/政宗,他)
「私ね、…チカちゃんのことが、好きになった…」
「………Ha?What?」

私と政宗は、桜の花が満開の並木道を並んで歩き、私の一言で政宗の足が止まった。

「だから、私…チカちゃんが好きになったの」
「Wait.Wait,wait,wait.冗談だよな?お前、俺に惚れてただろ?」

再度聞いた私の台詞に、政宗は目を見開き、あわてふためきながら私の肩を掴んで、自惚れた質問をしてくる。

「うん。惚れてたよ。昔はね。」
「"昔は"って何だよ…、"今も"に決まってんだろ…?」
「お、女心は変わるもんなのよ…」
「……………」
「だって政宗って、いつも私をパシってばかりだし、私の話も流すし、デートだってしてくれないし、他の女の子とは遊びに行こうとするし、」
「…Sorry,悪かった、」

私が今まで見たこともないような、そんな複雑な表情で謝ってくる政宗。それでも私は話を続けた。

「政宗に比べてチカちゃんは優しいし、ちゃんと話聞いてくれるし、色んな所に誘ってくれるし、」
「名前」
「ちょっと頭は悪いけどスポーツ万能で、私を守ってくれそうだし、私が落ち込んでるときは励ましてくれたし、」
「名前!もうその辺にしてくれ…俺の悪ぃ所は、今すぐ直す…だから、名前…」

政宗は私の首に両腕をゆっくり回し、ギュッと優しく、強く、抱き締めてくる。私は政宗に抱き締めてもらうことが、大好き。反射的に政宗の背中に腕を回してしまう。

「他の野郎を、好きとか、言うな…」

ドキッとするような言葉を言われた、その時バッドタイミングで慶次くんと佐助くん、顔を真っ赤にした幸村くん。本当にバッドタイミングだと、そう思う。

「お、政宗と名前ちゃんじゃん!桜の木の下でお似合いだねぇ!」
「ヒュ〜♪竜の旦那!今日もお熱いねぇ〜」
「は、破廉恥でござるううううっ」

そんなことを言いながら寄ってきた慶次くんたち。しかも、最後尾には暢気に桜を見上げているチカちゃんこと、元親がいた。や、ヤバい状況になりました。

「げっ…チカちゃん…!?」
「……!!元、親…っ!」
「あ?何だよ、2人してその反応。政宗なんか、そんな怖ぇツラして…」
「てめぇ…許さねぇ…!」
「は???」

次の瞬間、政宗の右拳がチカちゃんの左頬にクリーンヒット。チカちゃんは足元をふらつかせ、地面に尻餅をついた。咄嗟の出来事に、混乱する私。と、左頬を押さえながら、何が起こったのか全く理解できない様子のチカちゃん。一方、政宗は怒りを露にし、また殴り掛かりそうな勢い。

「ま、政宗!待って!!ストップ!」
「悪ぃ、名前…今、こいつを殴らねぇと気がすまねぇ」
「あーあーあー…うぅー…ダメッ!」
「Why?やっぱり名前は元親の方が…そうだろうな、」
「あ?何のことだ…?え?」

怒りの表情の政宗は、地面に座りっぱなしのチカちゃんに一歩一歩近付く。

「ストップだってば!あーもう謝ります、ゴメンね!政宗もチカちゃんも!!ホントにゴメンッ!!」
「俺がボコボコにしてから元親を愛せ」
「は?だから何のことだよ、政宗も名前もよぉ!?」
「わー殴っちゃダメーッ!私、政宗の方がずっと大好きなのにーっ!!」

私は、殴り掛かろうとする政宗の背中に抱き着き、必死に止めようとした。すると、政宗は力を抜き、私の方に顔を向けた。

「Hey,名前…その言葉は…本当か?」
「うん、本当。私は政宗が大好きだよ」

そう言いながら、ゆっくりめ政宗の背中から離れる。チカちゃんが混乱し、政宗も混乱もしてしまった。

「…じゃあ、さっきのは…?」
「あ、全部嘘。ご、ゴメン……怒った?」
「ちょっと待てよ、何で政宗に殴られねぇといけねぇワケ?」

私は一呼吸し、テンションを変えて2人の前に立ち直す。

「はい!じゃあ説明しまーす!」
「「?????」」
「今日は何月何日でしょう!」
「Ah…April,First…?」
「4月1日だったか?まだ3月だと思ってたわ、俺」

ちょっとチカちゃん日付ぐらいちゃんと分かっててよ、なんて思ったのは心の中だけです。心の中だけ。

「はい、4月1日は何の日でしょうか!そうです、エイプリルフールでーす!!」
「Oh…そう言うことだったのか…」
「あ?エイプリルフール?だからなんだよ…?は?何で俺?」

「まあ、それは斯々然々でこれこれこう言うことでありまして…ははっ…ゴメンね…」
「はぁあ?マジかよ…で、俺なワケかよ…ま、名前は悪くねぇよ、悪ぃのは政宗だな」
「そーだよ!政宗がすぐに殴るのが悪いよ!」
「No!名前がややこしい嘘つくからだ!」

痴話喧嘩に発展してきたら、兄貴肌のチカちゃんから一言。

「とにかく、名前は政宗が自分を本当に好きなのかを知りたかった、そーゆーこったな」
「そ、そーなんだけど…あぅー恥ずかしいね///」
「Ah?俺はいつまでもお前を愛せるぜ、名前」
「いやぁーもう政宗ってばー!恥ずかしいじゃーん///」

「あー…その、よかったな、2人とも…うん。よかったな、」


(俺様たち、かなり放置だよねー)
(あぁ、ちょっとくらい絡んでくれたっていーのによぉ)
(政宗殿も名前殿も破廉恥でござるううううっ!ぅをぉやかたさばあああああっ!!)
(ハイハイ、旦那、黙りましょーね)
(そうだぞ、幸村。あっちは今イイところっぽいからな)
(う、おやかたさまぁー)
(あ、小声になった)
(世話の甲斐があったな、佐助)
(成長したんなら、もっと早く空気読もうよ、旦那ぁー)


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エイプリルフール、大好きです。いろんなサイト様の仕掛とかいろいろ、大好きです(←)。なんか今回もよく分かんない内容ですが、書かなきゃ!と思って書いたんですが…はい、精進しますorz

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あきゅろす。
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