キノコ(現パロ/政宗)
ジリリリリリリ…ガチャン
虚しく鳴り響く目覚まし時計に手を振り下ろし、五月蝿い音を止める。
「…むぅ………ん」
また寒い朝が来てしまった…。冬の朝は大嫌い。特に平日の朝。ゆっくりと過ごしたい朝の時間は学校の準備でなくなっちゃうし、無駄に寒い。え？早く起きればいいって？無理。私８時間以上寝なきゃ次の日死んじゃうから。でも今日は休日だからゆっくりできる。
まだ寝ていたいという気持ちからか、布団の中でモゾモゾしていると異様に大きな湯タンポのと一緒に寝ていたようだ。そして大きな湯タンポをギュッと胸に抱いた。うん、やっぱり暖かい。
「………ぅん？」
でも抱いた感じが何か違う。いや、湯タンポとは明らかに違う抱き心地。それよりも湯タンポと寝た記憶なんかこれっぽっちも無い。
「あれ…？なんか…ワサワサ、してる…ん？髪の、毛…？」
胸に抱き締めている湯タンポを覗いてみると、湯タンポと思っていたそれは人の頭だった。私は慌ててその頭を放し、ガバッと上半身を起こす。
「Oh…Good morning,名前…朝から熱い抱擁、Thank you」
「うっ…うわあああぁぁあああぁっ！！？」
年頃の女の子には相応しくない悲鳴と共にバチィンと大きな音が響いた。
勝手に私のベッドの中に潜んでいたのは、隣に住んでいる幼馴染(兼、彼氏…とは思えないけど彼氏、なんだよ)の伊達政宗。鼻血をダラダラと流していた政宗は、さらに私から受けたビンタで左頬に真っ赤な紅葉を飾った。
そして、いつから潜り込んだのか聞いてみても「寝相だ」の一言で片付けられてしまう。寝相で自分家飛び出て人様の家に忍び込むのかこいつは。絶対私が熟睡してる間に忍び込んでやがる…！と鼻血政宗を睨み付けた。
私は顔を膨らませたままベッドから下りる。一方、政宗は…また布団に潜りやがった！おいいいいっ！そこは私のベッドんですけどっ！？せめて鼻血拭きなさいよ！もう、一体何なのよ！私の、私の愛しき布団…剥ぎ取ってやる！
そして私は政宗から布団を剥ぎ取りにかかろうとした。すると鼻血政宗が口を開いた。
「Hey,honey…もっとMilkを飲んだ方がいい」
「私は蜂蜜なんかじゃありませーん。それと牛乳は嫌いですぅー」
「もっとMilk飲まねぇと大きくなんねぇぞ」
「…何がよ。身長はそこそこあるからもう伸びる必要なんてないの」
私だって身長は160cmはある。そりゃあまだ政宗の方が背は高いけど…女の子にしては高い方だと思う。なのに、もっと伸びろってどういうこと？やっと鼻血を拭きはじめる政宗は続けた。
「No,もっと飲まねぇとHoneyのBustは一生小せぇままだぞ」
その一言に私はピタッと固まった。もうメデューサの目を見てしまいカチカチの石像にでもされたかのように、ピタリと動かなくなった…。
「俺はもっと豊満なBustの方が好みだ」
ついに固まっていた私にヒビが入った。そのくらい衝撃的な程毒を持った一言を言い放つ政宗を…私、湯タンポだと思い込んで政宗の顔を自分の貧相で可哀想な胸に抱き締めていたんだ…と、いろいろ思考を巡らせ、悔しさのあまり近くにあった本を手に取って政宗目掛け思いっきり…投げた。
「……っ！！政宗の馬鹿！アホキノコ！このやろ…くそキノコっ！」
「うおっ！？キノコって何だよ…いてっBook投げるなよ！危ねぇだろ！」
「あんたの言葉の方が…、あんたの存在の方が十分危ないわよっ！！この駄目キノコ！」
私は手の届く範囲にあるもの(結構たくさんあるってことは散らかってる証拠なんだろうな…)を片っ端から投げ付けていった。
「Stop,stop！落ち着け名前っ！」
「うるさいっ！変態キノコォー！」
「さっきからキノコって何だよ！？」
「私はキノコが嫌いなのー！キノコ政宗コノヤロー！！」
「お前の暴言滅茶苦茶だな！」
「チキショー！キノコなんかなくなってしまえっ！」
「何に対する暴言だよ！？」
朝っぱらからギャーギャーと攻防を繰り広げているうちに、私は疲れ果てて座り込んでしまった。そんな私に政宗は優しく話し掛けてきた。
「Hey,honey…さっきは悪かった…」
「………………(チキショー真顔とか超カッコいいじゃないか)」
「俺はお前を、助けたかったんだ…」
「………(助ける？)」
「俺が名前のBustを揉んで大き「やっぱ消えろよお前キノコ諸とも消えろよ」………I'm sorry…」
そうして一段落し、ゆっくりと(なぜか政宗も一緒に)朝食を摂り、１日が始まった。
(私の休日って、一体何の為にあるんだろ…全然休めた気がしない…)
(Honeyが俺を抱き締めてくれたぜ…！しかもBustでな！)
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毎度のことで非常に申し訳ありません。どうやって潜り込んだか聞かないでください(←)。我が家の政宗はカッコいいけど、本性は変態でアホで馬鹿がいいです。私はそんな政宗が好きなんです(…)。ちなみに私…キノコ類が大好きです。
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