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しがみつく理由<018>(参謀)

「〜〜〜くしっ」
「そのような恰好で外に出てるからだ」
「ああ、そうか。どうりで」
鼻腔がむず痒く、寒気すら覚える訳だ。

「…お前は学習というものを知らないのか」
「今まで、寒いとか暑いとか……こんなこと無かったし」

「それは良い傾向だな」
「そうなの?」
「……あぁ。」



以前も今日のように月を眺めているところを咎められたのを思い出した。

しかし、その時体に異常を感じたという記憶は無い。




「不便…、だなぁ……」

渡された毛布へ包まり縮こまる。
自身を抱きしめる形で表面積を最小限にした。
ソファに足を乗せるなと怒られそうな気もしないでもないが考えない。


「これでいい…。」

環境を問わず、影響を省みず、使われることは不可能となってしまった。


「でも……」


今度こそ私は棄てられるかもしれない。
戦うことしか持たない私が、それを亡くしてしまえば、ただの邪魔なモノ。

“アノトキ”から貴方が全て。
貴方が光なんだ。


「良い。」


どんなに汚れようとも今更気にしない。
汚れを落とすことなどもはや不可能だから。

「良くないよ」


闇の中だからこそ見えるほのかな明かり。
見失わないためにも僅かたりとも色を薄めるわけにはいかない。
余計なモノでくすませなんかさせられない。


「……殺し続けなくちゃいけないんだもん」


-居場所-ココを守るためにも
光を見失わないためにも


「戦えようが戦えまいが、自分自身であることに変わりあるまい。力に固執するな。」


差し出されたマグカップを受け取るために膝を抱く手を解くと温く覆うものが逃げていった。


「それとも、私がその程度の事で揺らぎ、お前を切り捨てるとでも思うのか。……何を恐れる」


手に触れたものは暖かな温もりをたしかに持っていた。

何時だってそうだ。
貴方は私に与えてくれる。
私のちっぽけな殻を剥がして、外が見えるようにしていく。


「……怖いんだよ、僕の―…私の目の前からアヤナミが居なくなるのがッ」

「そんなことか」

「あそこを出てから、いつだってどんなときだってアヤナミが居た……っ、なのにッ
……私はどうすればいいのかわかんない…、想像できないっ、したくないっ
どうやって息をするの…?…………どうやって立てばいいの?」


手に伝わる温もりでさえ今は怖い。

失うときがくる。
そう気付いたときからずっと恐かった。




018:しがみつく理由



「気に病むな。お前が手を伸ばす限り、離しなどせぬ」







連載におけるサイドストーリーというか、時間列にまだ入れてないけど、入れる予定の話
ちなみに、連載はこれらを入れた設定で進めてますよん
(上記の通り時間軸まだ決めてないですが。)




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あきゅろす。
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