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その口から紡錘がれるのは愛とは限らない(For:Booh)(少佐)

「“第一防衛ライン突破”ねぇ……。なかなかやるじゃない」
「あの程度の小隊に突破されるとは情けない」
「アヤたん、そんな事言わないの!弱いなりに頑張ってるんだから」
「結果として、敗れたことには変わり無い。」

「アヤナミ様!僕が行ってもいいですか!?」
「え、ずるいクロユリ!俺だって降りたいー!戦艦の中なんてつまんないもん」
「……状況を見てから口を開け。」

第一に雪原地帯であること。
第二に地の利は相手にあること。
刀を武器とするには足場が悪く、ヴァルスを使用するには懐に不安要素が大きく居座る。

「何とかなるよそのぐらい。いいじゃん!ハンデ!そのまんまじゃ簡単過ぎてつまんないし」

「分が悪すぎる。」

「そんなっ、アヤナミ様!」

「みすみす危険を侵させるつもりはない。私が――「あれは、力を使いすぎるから駄目だよ。私が行く。」


「私なら中距離も接近も問題無い、でしょ?」

「駄目だ。」

「返したいの、少しぐらい。アヤナミ達から貰ったものの分のお礼」

一歩、また一歩と足を踏み出す。

「私にはこれでしか返せないから」

その表情からは内情を感じ取ることは出来ない。

「何を考えている」

「アヤナミや皆の事。」

指先が頬にたどり着いた瞬間にその体温を見失った。
強く引かれた手に気を取られて、気付いたときには僅かに鼻先を掠める良紀の香と見失っていた温もりの名残。

「心配しないで、私は大丈夫だから」

眉尻を下げて笑ってコートの裾をたなびかせている姿は、自分が思っていた以上に人となっていた彼女の姿。

「ここにしか戻って来れないんだから」

「…勝手に死ぬ事は許さぬと言った事は覚えているな」

「もちろん。あ、そうだ、暖かいココア用意しててね」



「……じゃあ、行ってきます」

そんな笑顔は止めてくれ。


2:その口から紡錘がれるのは愛とは限らない


(これじゃまるで死に行くようじゃないか)





――――――
すまんそ!お題と少しずつズレてった!orz

いつぞやの、君が作ったお題から拝借してみますたが…
前聞いたじゃん、色と番号。
2&紫だったのでアヤたんですた。兄貴じゃありませんぬ。


こんなんだが、お祝いに押し付けてみる!
好きにしてくださいorz
(祝いっていうわりにはめでたさの欠片も無い文だとか、やたら短いだとか、そういったことに関しては深く反省しております……)



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[ 2008/07/16 秋影 ]



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