花を愛でる事さえ出来なかった君に安息を<花鳥風月-1>(For:Booh)(少佐) あの日から1ヶ月。 公には彼女は殉職という形で広められたようだった。 『ヴァルスやコールが浄化された』というわけでもないのに空へ溶けた彼女の体は無いまま、空っぽの箱を土に埋めた。 「……ねぇ多分だけど、此処にいないよね?」 当然ながら返ってくる言葉は無いうえ、ただ広いだけの丘では反響音ですら聞こえ無い。 「毎日来てるのに一度も会えないんだもん。居留守にしては気配も無いし」 空っぽの上にも、石は何と言うこともなく鎮座し続けるのだろう。 「やっと解放されたって言って沢山のコトを見て回ってるのかも…」 知らないことと対面した様子を、彼女らしいようならしくないような微妙なラインで思い描いてしまった。 軽く挙動不信になる姿に思わず笑みが零れる。 「観光に飽きて、また出てこようかなと思ったときは、今度は変なおじさん達に捕まっちゃダメだよ?ちゃんとお母さんのお腹から出ておいで」 沢山笑って 沢山泣いて 沢山怒って そうやって大きくなるんだよ そして、 誰かと恋をして 夫婦になって 家族ができて 繋いでいくんだ 俺らにはもう出来なくなったことだけど 俺らの分まで君がやってくれるんなら別にいい。 「……神様なんかには祈ってやんないけど、俺は、俺自身で願うよ。」 「どうか、君の来世に幸多からんことを。」 花を愛でる事さえ出来なかった君に安息を 花鳥風月:1 「――あ、野郎だったら願わないけど。野郎の幸せ願ってもしょうがないじゃない♪」 ≪curtainfall...≫ BOOHちゃんと盛り上がっていた07連載(まだ水面下の作業)での主人公が殉職したその後を意識してたりしてなかったり… 詳しく語りたいところですが、まだ決め兼ねてるとはいえ、ネタバレになってはあれなので…… 気になるかたは07連載が立ち上がる日を待つか、私、秋影へ拍手などを利用して直接お願いします。 ってか名前変換箇所が無かったですね… (BOOHちゃんへの贈り物その1<全4>) 2008/01/18 →# [戻る] |