I loved you. 降りしきる雨が大地に染み込んで命の糧となるように、私のこの涙もいずれ何らかの意味をなすものなのだろうか。 そう考えたところで、答えはNOに決まってる。 ふと思い返してみれば、自分のこれまで全てが無駄だったような気しか起きない。 「お別れだよ。沢山迷惑かけた、けど、死んじゃうんだからそのくらいは許して、ね?」 「くだらないことなら喋るな」 「それと、初めの頃殴り掛かったりしてごめんね」 「…そんなこと覚えてない」 「はは……そんな忘れられるくらい弱い攻撃だったならニケ使っちゃえばよかったなぁ」 「絶対に使うな。……もう戦わなくたっていい。」 「あちゃ…、ついに戦力外通告?もう還るとこも無くなっちゃったよ」 私の血に巻き込まれて循環の輪を外れてしまった空の涙は無様にも大地に朱く痕を遺す。 完璧なモノしか彼の元へ戻れないというのに緋に汚れてしまった。 「私の命令も聞けないやつが今更従順になるな」 「しょうがないじゃん、もう何も 見えないんだよ……戦えない。」 「視力に頼らずともお前の腕ならなんとでもなる」 頬をなぞろうと延ばされた手は、どんどん体温を感じさせないモノとなってゆく。 「アヤナミって優しいから…………だから、忘れてね、躊躇わず綺麗にぜんぶ。 背負ってなんかくれないで。」 「人に押し付けるな自分のことだろう」 「ごめ……ん、」 自身の重さで地に堕ちた腕。 それを皮切りに、良紀の右目から青白い光が溢れ出し、彼女の体全体を包む。 「……ニケか?」 「御名答ぉ〜」 「良紀をどうするつもりだ」 「どうするって言ってもねぇ、ワ タシには面白そうなコトとしか言えないワ」 「貴様との契約とは何だ」 光は分散し空に溶けていく。 「オシエナイ。彼女から教えられなかったのならそれまでだったってことデショ」 完全に調和したのと同じにニケも消えてしまった。 腕にかかる重力は無くなり、ましてや冷たさまでもが連れていかれてしまった。 もう、此処に彼女が確かにいたと言えないほど何も遺さずに。 『それまでだった』 頭の中でずっとリフレインする。 信じていたかったのは私だけだというのか。 もはや問う相手もいないのに聞かずにはいられないのは不安な心の現れ。 I loved you. ≪curtainfall...≫ どこまでも謎が多すぎ!(もはや叫び マリーではいろいろ試みてみるつもりでいます。うん、いろいろ。 しばらくのあいだ、どうぞおつきあい下さいませ。 →# [戻る] |