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8.5




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良紀を連れて行きたいのと同時に連れて行きたくなかった。
独りにさせたくないのと同時にあの世界を、人を殺す俺を見させたく無かった。
見られたく無かった。

今更ながら後悔が波となって押し寄せる。

「後悔なんて…らしくねぇな…」
人を殺す姿を見られた後の良紀の反応が怖いなんてどうかしてる。

小さく溜息をついて煙草をふかす。


「あぁ、政宗様こんなところに!」
城中捜し回ったのだろう。
呼吸を乱した小十郎が小走りでやってきた。

「どうしたんだ?そんなに急いで」

「どうしたんだじゃありませんよ!政宗様っ良紀殿を戦場に連れていくなどいったい何をお考えなのです!記憶を失う前はわかりませんがあの方は血の臭いが無さ過ぎる!そんな方がいきなりあの光景を見たらどうなるか…」

「お…おう……」
小十郎のこれでもかというほどの凄い勢いに思わず謝りそうになったがなんとか堪える。


「アイツは……良紀はお前が心配している事に関してはお前が思ってるほど弱くねぇよ。それに誰から聞いたか知らねぇが行きたいと言い出したのは良紀だ。」
「だからといって「アイツがアイツなりに考えて決めた事だ俺らが口だしするこ
とじゃねぇだろ。」
自分にも言い聞かせるように何度も思った言葉を繰り返す。

「〜〜〜っ…そこまで言うのならしかたないですが、私は政宗様が苦しみ悲しむ姿をもう見たくないのです。
 それだけはお忘れにならないでください。」

まだ梵天丸と呼ばれていた頃の記憶が、様子が、鮮明に蘇る。

−実母、義姫は幼かった梵天丸を片目を疱瘡で失った事を理由に疎み、蔑んだ。
義姫の今もなお続くそれらの行為は、確実に、梵天丸の心に癒える事の無い深く大きな傷を残した。−


だが良紀や幸村と居るようになってからというものの政宗の中で、とても小さな事だけれど少しずつ何かが変わって来ている。
時たま歳相応の態度を見せるようにもなってきた。
これまで過酷過ぎる道を歩んで来た主に、これからの道も楽な物では無いのだが幸せを掴んでほしい。
幸せの存在を知ってほしい。
そうして、もっと周りには味方が沢山いることに気付いてほしい。
決して自分は独りではないと気付いてほしい。

小十郎を含め家臣達の願いが届く日は、そう遠くは無いだろう。


「I am resolved to carry it through.覚悟は出来てる
間違っても離しゃしねぇよ」

共に笑ってくれる人達を。
ささやかなあのひと時を。

「誰が何と言おうと離してなんかやらねぇ」

離してなんかなるものか。
伊達の当主としてではなく政宗という人間を見てくれた
自分の存在をただまっすぐに受け止めてくれた

アイツらを絶対に守ってみせるさ
誰にも渡しゃしねぇ



≪curtainfall...≫





えー、ほんとはこれは心の奥底に秘めておくつもりでしたが、まぁ、これはこれで自分自身への戒めの意味を込めて……(実はストックも残ってるくせに潜んでます(←!

とりあえず、言い訳はおいといて、これはつまり8話と9話の間?のつもりで用意していた話です。ハイ。


これがないとやっぱり意味がわからないかなぁと、、
ま、これがあっても意味不明なことには変わらない可能性大ですけど……

だんだん本格的に泣きたくなってきました。

とにかく、面白そうだからとかそういう理由で殿も良紀さんを戦に放り出した訳ではないんだよと…(←


それと、今更ですが、英文はあんまり気にしないでください。(翻訳サイトに頼りっぱなし(だから英語の点数悪いんだ





→#

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あきゅろす。
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