大和:微かな熱に錯覚を
「ねぇ、3センチでいいから身長ちょうだい?」
この言葉が天下の帝黒アレキサンダーズのエースであり、天にニ物も三物も与えられた男、大和猛の最近の悩みの種だった。
「いつも言っているけれど、方法を知っているのならね」
「知らない」
「なら、流石の俺でも無理だな。それに、身長は俺の大事な武器でもあるから持って行かれたら困るんだ」
「む…」
猛も最初こそ「ハハッ、九世は面白い女性だな」なんて返していたが、良紀の言葉が冗談ではないと知った今は笑うわけにもいかず対応に苦慮し始めたというところだ。
そんな猛を知ってか知らずか眉間を寄せて真剣に考え込む良紀。猛は内心、溜息をつきたかった。
「九世はどうして背を伸ばしたいんだい?」
「別に、あんたに教えるくらいのことじゃないもの」
「俺としてはこのくらい身長差があったほう都合がいいんだけどね」
親の心、子知らず。ではないが、猛の心、良紀知らずである。
当たり前だ。常人、いや一般人に理解できる思考回路を大和猛は持ち合わせていないのだから。
「理由は九世が俺と話すとき常に上目使いになるからなんだけど、……知ってたかい?」
「…………わかるわけないじゃん、そんなの。」
095:微かな熱に錯覚を
ねぇ、良紀。顔が赤く見えるのは俺の見間違いかい?
090324
苗字呼びが名前呼びになった瞬間ってクると思います。
何故か大和は
大和→→→←主
ぐらいのイメージが1番持ちやすい。
……頭痛いんで寝てきます。
あでゅー
*←→#
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