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ずっと前から


「ねえ跡部。」


「なんだ」



放課後部活動の時間。


テニスコートのど真ん中で、私は汗だくの氷帝テニス部部長に話しかける。



「...」



「、何だ、話しかけておいて。何か用があるんじゃねーのか?アーン」



「別に。はいタオル。」



「...おう」



半ば押しつけるようにスポーツタオルを渡す。



跡部が少し強引に髪を掻きあげ汗をぬぐうと、フェンスの向こう側から"キャー"と甲高い叫び声が上がる。



「...ねえ跡部。」



「だからなんなんだ。」



「こっち向いて。」



「...何でだ。」



「なんでも。早く。」



はあ、と溜め息をつき"俺様は忙しんだ"とか言いながらこっちを向く跡部。



の。



「っ、なんのつもりだ、なまえ」




顎をつかんで。




「!!?」




唇を押しあててやった。



ちゅ、と軽いリップ音を立てて離してやる。



目の前に見えるは、その端正な顔を呆然とさせている跡部。



「っ、なまえテメエ...」



「だって跡部私のこと好きでしょ?」



自分でもわかるほど口角をあげてにやりと笑うと。



「チッ...覚えとけよなまえ」



少し頬を染めた彼もにやりと笑う。


隣コートにいる他メンバーたちは溜め息をつき。呆れてる。


フェンスの向こう側からは、今度は"キーッ"だとか"絶対許せない!!"とか"コロスコロスコロス"とか"あんな女より私の方が跡部様に釣り合ってるわ"とか"跡部様を助けるのよ!"とかその他モロモロ聞こえるけど。



残念だったわね!



彼は私のもの

(奪えるものなら奪ってみなさい)(彼はもう私という深い湖に溺れているけどね)




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前サイトから。
初跡部だったのでなんとなく。
甘くもなく苦くもなく。



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あきゅろす。
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