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ソラユメの夏
*ソラユメ 勇人と皐月
*付き合って初めて迎える夏
*爽やか青春っぽい




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生ぬるい風が頬を撫でた。鼻をつくやけたアスファルトのにおい。こめかみを滴り落ちる汗を懸命に手の甲で拭いながら、空を仰ぐ。澄んだ蒼の中を自由に泳ぐのは、真っ白な入道雲。容赦なく照りつける日差しが、本格的に夏の訪れを告げている。


「明日から夏休みだね」


額に汗を滲ませながらも、皐月が笑う。まるでひまわりのような満面の笑み。眩しくて、愛しくて、思わず眼を細める。すると皐月は、更に楽しそうな顔で笑ってみせる。


「ねぇ勇人くん、夏休みになったらどこに行こうか。海?山?それともお祭り?」

「もちろん、全部だろ!」


俺たちの夏休みはこれからなんだ。今までに幾度も夏は巡ってきたけれど、今年は俺の隣に皐月がいる。行きたいところも、やりたいことも、数えきれないほどにある。皐月と共に作りたい新しい思い出がたくさんあるんだ。

だから夏休み前日のいま、まずは予行練習に一つ。ぶらぶらと暇を持て余した小さな手をさりげなく握ってみる。汗ばんだ手が遠慮がちに握り返されれば、どちらともなくはにかんだ笑みがもれる。触れ合う部分から生まれた熱。ぬくもりが指先から腕を伝い、心の奥底まで染み渡っていく。

それは今までに感じたことのない、心地のよい暑さだった。


夏休みの始まりに

(君と過ごす日々を思い描く)


end


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あきゅろす。
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