たくよーさん 西村姉弟劇場 〜俺と姉貴と時々おとん〜 *リトエイ 西村姉弟 *まい様へ、受験お世話になりました感謝物 *ふみが若干ツンデレ仕様 〜〜〜〜 「姉ちゃんは危なっかしくて見てられないから」 はい、と唐突に差し出された手。意味を取りかねて首を傾げる私に、その手は何かを促すような仕草をみせる。 閉じて開いて、グーパー、グーパー。 (じゃんけんかな?) とりあえず発した掛け声は、すぐに弟の怒気によって掻き消された。 「何でじゃんけん!?わかるだろ、普通…!!」 「普通だけど、わからないもん」 「だから……あぁ、もう!!」 説明さえも煩わしいと言わんばかりに、ふみは私の手をひっつかんで、そして大股気味に歩きだした。 呼んでも呼んでも、振り返らない背中。足早な歩調に付いていけず、自然と小走りになる。 ただ、その動作にはがさつながらもどこか優しさがあって。握られた部分から伝わる、汗ばんだ緊張。揺れる髪から垣間見える耳も、心なしか赤い気がする。 「ねぇ、ふみ」 「なに?」 「ううん、やっぱり何でもない!」 「何だよそれ…」 呆れたように、ふみがため息をつく。だけど、私はちゃんと知っているもの。(それは、実に彼“らしい”照れ隠し) 負けじと、私も握られたままの手で握り返す。 驚いたようにふみが立ち止まり振り返ったけれど、私はそれに気付いていないふりをしてそのまま歩き続ける。 先程と入れ換わった立場。どんどん先へと進んでいく私と、黙って付いてくるふみ。背中越しに感じるのは気配だけで、その表情は全く見えない。 だけど、ふみは少し困りながらも笑っているような、何故かそんな気がした。 言葉よりもぬくもりで (感じて、私の想い!) * まい様へ捧ぐ、ツンデレふーみんとあかりちゃん。ふーみんは道で転びかけた(もしくは転んだ)あかりちゃんを心配して手を繋いだ模様。 ただ、手を繋ごうと言うのは照れるからジェスチャーをしてみた、と。ツンデレでもふーみんはシスコンですから。 読破有難うございました! そしてまい様、遅くなりましたが受験期は大変お世話になりました!! |