外れた弾丸 「な…」 言葉を失った香澄たちと、 満足げに微笑むウィズリー。 双方の目は、ブラッドを撃ったエクジットへと向けられていた。 「て、てめぇ何すんだよ! もう少しで当たるところだったじゃねぇか!」 涼しい顔をして、 エクジットは銃を構え直す。 「申シ訳アリマセン、次ハ当テマス」 高笑いを響かせ、 ウィズリーは腹を抱えた。 「やはり、機械というものは自分の利益と命令を第一に考えるものなのです。 残念でしたね」 困惑したままの香澄たちを他所に、 ウィズリーは余裕の笑みを浮かべる。 「さぁ、私の下僕たちよ。 無粋な連中を始末してしまいなさい」 了解、と二人の声が重なり、 香澄たちに襲いかかる。 その攻撃を、岩の壁を作り出した香澄が受け止め、 ブラッドは舌打ちをした。 「おい、どうすんだよ、香澄!」 「まだ壊すなと言うのでゴザルか?」 少し考え込んだ後、香澄は。 「二人に、お願いがあるの」 そう言って、ブルームーンを握り締めた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |