蓮咲焔様/雲雀切



春は出逢いと別れの季節だと誰かが言った

それは的を得ていて何等おかしくないと思う、四季のある日本ならば至極当然。いや外国でもそうだろう。春は1つ年度が変わるのだから。

私もその中の人間の1人だ、ついさっき卒業を向かえ私はもう並盛中学校の生徒ではなくなった。



「雲雀さん」

「なんだい」

「さよならしましょう」



屋上に呼び出した最愛の人に唐突に切り出した言葉に流石の雲雀さんも動揺を隠せなかったらしい、丸く見開かれた漆黒の瞳が明らかに揺れている。

でもそれはすぐにいつもの仏頂面に戻ると急に私の方へ近付き肩を強い力で掴まれた。



「、痛いです」

「なんで急にそんな事を言うの」



ギリギリとブレザーに食い込む指先は少し白くなっていて必死さが伺える。

その指へ掌を重ねると僅かに力が緩んだから肩と手の間に自分の掌を割り込ませて軽く繋いだ。



「遠いところへ引っ越すんです」

「は?」

「というより外国に移住します、日本には余程の事がない限り帰りません」

「僕は何年でも待てる」

「私が無理なんです
だから別れて下さい」



ぺこりと頭を下げてお願いする、繋いだ手は明らかに震えていてそれからも離れようと力を緩めたら逆に強く強く握り締められた。――…離したくないとでもいうように。



「僕の事が嫌いになった?」

「いいえ、大好きです」

「じゃあ他の男ができたとか」

「ありえません。雲雀さん、私に寄る男は友達でも男片っ端から潰して来たじゃないですか」

「ならたかだか外国に行くくらいで別れるなんて認めないよ、理由がないなら尚更だ」

「だから理由は、」

「聞きたくない」



耳を塞ぐ様に私の声を遮る雲雀さんの顔付きは険しくて、でも寂しげで、つい一緒に居続けたくなる。

でも私にはわかるよ、リボーンちゃんから聞いているんでしょう?だから必死に繋ぎ止め様とするんだ。

無理だとお互いに分かっているから

無理だからこそ、精一杯、笑った。



「――…大好きでした」



ざあ、と舞い上がる桜の花びらは屋上にまでちらほら届いて来ていて1番高くまで舞い上がったその花びらは私と雲雀さんの間を儚く通り過ぎた。


さようなら、雲雀さん





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相互記念、蓮咲焔様リクエスト雲雀切夢でした。蓮咲焔様遅くなり申し訳ありません。
多分分かり辛かったと思いますが名前様は卒業と同時にイタリアへ渡りマフィアになる、といったお話で名前様は日本に未練を残したくないから関係を断ち切ったみたいな感じです。
蓮咲焔様相互ありがとうございました!

20100331

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