玖珂悠希様/骸+10



日本の冬は寒いって相場が決まっていて防寒具にも磨きがかかる。

漸く出したこたつの中で戯れる四本の足、私と骸の。

互いに寒いから真ん中の温かな熱光が出る所を取り合ってしまうと必然的に起こってしまう事がある、場所の争奪戦だ。



「骸じゃまー」

「君の足だって邪魔です、デブ」

「なんだとこのやろっ!」

「イタタタッ、蹴らないで下さいよ!冗談ですから」

「ふん、じゃあ退けて」

「それは嫌です寒い」

「デブって言った罰ですー退けろ稲妻パイン」

「クハッ、逆に退ける気なくなりました。コタツも僕の物にしてしまいましょう」


コタツの角を持ってずりずりと自分の方へ近付けて行く骸のせいで私の方は距離があく。

急いで掴むも男と女の力は歴然でどんどん骸の方へ行ってしまう愛しのこたつ!


「訂正しなさい、さもなくば足も入れさせない」

「ああああすみません、優秀なる骸様ー」

「クフ、よろしい」

「ケッ…糞パインの分際で」

「何か言いましたか?」

「いいえなにも!」


ふう、危ない危ない。
ご機嫌取りをかねて骸様骸様連呼してたらコタツにいれてくれた…良かった、骸に良心があって。
本当に凍死するっちゅーねん。


「はあぁ、あったかい」


ぬくぬくのコタツにすりすりしていると目の前には蜜柑が沢山入ったカゴが目に入って思わず口角が釣り上がる。


「骸ー」

「なんですか」

「蜜柑むいてあげよっか」

「良いんですか?」

「うん、さっきのお詫び」

「ではお願いします」



任せとけ
なんて言いながら一つ蜜柑を手に取って皮をむいていく。

オレンジ色をした皮をむくと実には白い筋が沢山ついていてそれも綺麗にとって…


「いくわけねーし!くらえ稲妻パイン!!」

「!」


筋をとるフリをして指で蜜柑を押すと圧力に耐え切れなくなった実が弾けて汁が飛び出す。
それは放物線を描いて骸の目に…!


「「ぎゃあああああっ」」


ジ・エンド・オブ自分!


数分後悲鳴を駆け付けた千種が見た物は二人の転げ回る姿だったという。





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69000HIT玖珂悠紀希望様リクエスト骸(+10)ほのぼのでした。ほのぼのと言いますかギャグですね…すみません。
蜜柑で転がる二人はほのぼのしていたという事でお願いします。
悠希様リクエストありがとうございました!


20091228

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