くろうさぎ様/ツナ切




カタンと椅子が動いて

ツナが山本や獄寺達と出ていくのが見えた。

君は今日私の傍から居なくなる。








事を聞いたのは本の2、3日前。


「俺、中学卒業したらイタリアに渡るんだ」


それは突然の知らせで私の願いでもあった一緒に並盛高校に入るという夢が一瞬で砕け散った瞬間だった。


「ツナだけ、行くの?」

「んー山本と獄寺君も、かな」

「そ、そっか…」


今まで仲良しメンバーだったのに私だけそのイタリアという話は無くて急な疎外感が押し寄せる。



何時から話し合ってたの?
いつ決まった話だったの?
何で私だけ、のけ者なの?


そんな事が頭の中をぐるぐる駆け巡って口から出そうになるけどツナの嬉しそうな、でも何処か不安そうな顔を見たらそんな事は言えなくて下唇を噛んで堪えた。


でもなんでイタリアに行くのか、こういっちゃあれだけどツナは勉強なんて大嫌いでイタリア語なんて絶対話せないだろうし行く理由が見当たらない。


「イタリアに行ったら何するの?」


そして、つい口から言葉が出てしまう。


うーんと悩む姿にはダメダメな面影があるけど僅かに逞しい印象の方が勝っていて、知らぬ間にツナは男らしくなっていたと突き付けられた気分だ。








「みんなを守る為に強くなるんだ」








全く意図の読めない言葉に首を傾げるも何と無く解る男の子の世界観。

守る理由は解らなくても守りたい意志は痛い程伝わって来てそれは私が入る隙もない様な壁になって、自然と涙が滲む。



それでも

離れたくない

なんて。





ギュ、


急に温かい感触が体を包む。それがツナの腕だと気付くのに時間は要らなかった。

トクントクンと規則的な音が鼓膜に刻まれて行く。


温かい、ツナの鼓動。



「俺、みんなを、名前を含めたみんなを守りたいからイタリアに行くよ」

「…うん」

「強くなったら、その名前には伝えたい事があるから。だから…」



ちゅ。

唇同士が可愛い音を立ててくっつく。




「それまで待ってて」




私のファーストキスだった。







そして君は今日イタリアに渡る。

出て行った扉を見詰めながら涙を一つ零した。





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相互記念、くろうさぎ様リクエストツナ切甘でした。
くろうさぎ様お待たせしてしまい大変申し訳ありませんでした!
ツナ君がイタリアに渡る前のやり取りを目指してみたんですが玉砕しました。ちなみに二人はまだ付き合ってません、この先の未来はお二方に任せたかったので^^;
本当ぐだぐだですがくろうさぎ様、相互ありがとうございました!





20091024

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