しおり様/骸甘夢




「何なんですか!」

「何がよ!」

「何故最近千種とばかりイチャイチャラブラブしているのかと聞いているんですよ」

「私がちー君とラブラブしたなんて証拠でもある訳!?ちー君も何とか言ってあげてよ!」

「…めんどい」

「ちー君!」


最近私の恋人の骸は千種、もといちー君と居るのを極端に嫌う。犬ちゃんと居る時はまだじっとりした目で見られるだけ、でもちー君と何かしよう物なら飛んで来て今の様に怒鳴り散らすのだ。ただ料理が出来る様になりたくて朝晩手伝ったり教えて貰ってるだけなのに。


「大体最近僕より千種とばかり居てそんなに千種が良いんですか」

「誰と居ようが関係無いでしょ!」

「名前、焦げるよ」

「はい、ちー君!」

「ほらまた千種とばかり!」

「煩い骸、あっちいって!!」


強く物を言った所為か一瞬傷付いた顔をした骸。視線を伏せてすごすごとキッチンから出て行った。それを見たちー君は盛大に溜息をついて眼鏡をかちゃりと掛け直す。


「言い過ぎだよ、名前」

「う…でも、失敗したくなくて…」

「なら出来たら直ぐに骸様の所に行って。…いじけると被害が来て、めんどい」

「うん…」


***


あの後何とか出来た料理を器に盛って骸の部屋の前まで来た。ノブを回すと鍵が掛かって無かったから簡単に入れたけど…骸は私を見るなり顔をしかめた。


「…何しに来たんです」

「えっと、あのね…これ…」


差し出したのは今の今まで作っていた出来立てほやほやの料理が乗ったお盆。料理は比較的簡単だと思ってたけど実際作ったら焦がしてばっかだった親子丼。今日、やっと焦げずに済んだ。それを見るなり骸は目をぱちくりさせて私とそれを交互に確認した。


「これを名前がですか?」

「そ、そうだよっ…」

「料理が出来なかった筈では…―、まさか最近千種と居たのは…!」


コクリと首を縦に降る。
そう、此処最近ちー君の傍に居たのは料理が壊滅的な所を直したかったから。食材を買いに行ったり料理を見て貰ってたりしたから骸にあんまり構ってやれなかった。でも、でもね…


「骸がちー君の料理、いつも美味しそうに食べるから…私も、頑張ってみたくて…」

「名前…本当に可愛いですね」

「きゃっ…!」


骸は言うなり私をソファに座らせた。何とか料理は死守して無事だったから安堵して骸に箸を渡す。でもそれは骸によって戻された。


「これでも先程の言葉に傷付いているんですよ、食べさせてくれても罰は当たらないでしょう?」


そう来たか。でも今回は私が悪いから箸を持つと親子丼を一口サイズにして骸の口に運んでやる。


「はい、あーん…///」

「あーん…」


―パクッ―


「クフフ、美味しいです」


咀嚼してる時間私はドキドキしっぱなしだったけど次の瞬間笑ってくれた骸によってドキドキは甘い方へ変化した。


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(ほほほ本当に美味しい!?)
(本当ですよ、ほら)
―チュッ―
(なっ…)
(美味しかったでしょう?)
(…)
(ちなみにデザートは名前ですよ)
(Σ言ってないよ、そんな事!)
(千種と二人きりで居たお仕置きです)
(うわーん!!)


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1000HITしおり様リクエスト
骸嫉妬→甘夢
しおり様リクエストありがとうございましたv^^v

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あきゅろす。
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