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広い世界の夢物語


酔い潰れてたんじゃ、と呆れ気味に問い掛けたゾロに演技だと笑うナミに、どうでも良さそうにゾロが溜め息を吐く。

「―――で?10億の恩賞を約束してくれるの?護衛隊長。私達に助けを求めなきゃきっと……王女様死ぬわよ?」

笑顔でそう言葉を紡ぐナミに、マルロスは思わず俯く。
立派な脅迫ではないか、と思わずにいられない。
挙げ句には、そんな大金の約束は出来ないと言おうとした護衛隊長に、一国の王女の値段はそれ以下だと言うのか、と痛いところを突く。

「出せ」

「脅迫じゃねェか」

側で聞いていたゾロが、さすがに突っ込みを入れる。
可愛らしい顔で脅迫とは、とマルロスが思わず遠くを眺めて思う中で、護衛隊長が口を開く。

「ゴホ……ならば、王女を国へ無事、送り届けてくださるというのなら!!王女に直接交渉して頂ければ確実です!!」

「………………!!まず先に助けろってわけね」

どうなるにせよ、今のナミを止めるのは無理なんだろうと、マルロスは成り行きを見守る。
そう言えば、ナミはお金に目がないとウソップが言っていたっけ、とぼんやりと思い出す。

「こうしている今にも……!!王女は奴らに命を……!!」

「……わかったわ、おたくの王女、ひとまず助けてあげる」

金銭の交渉は後にするしかないと、ナミは溜め息をひとつ吐いて立ち上がる。


 

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あきゅろす。
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